意外と難しい、妊娠を伝えるタイミング

意外と難しい、妊娠を伝えるタイミング

妊娠してから、こんな短期間でもいろんな発見や変化があった。その中でも意外と難しいなと思ったのが、妊娠を報告するタイミングだ。

まだ流産の可能性が高い妊娠初期での報告は控えたい場合もあれば、つわりが想像以上に辛い場合は理解や助けを得るために早めに伝えることもあるだろう。また、報告する相手が長期間妊活中・不妊治療中などの場合は伝えるタイミングだけでなく、伝え方なども重要になってくる。

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流産しやすい時期を越えてから報告したい

報告は妊娠した自分、夫、自分の家族、義理の家族、友人、職場、それぞれの状況によって一人一人対応が変わってくるから難しい。私は妊娠検査薬で陽性を確認した後すぐに夫に伝えたが、他の人には家族・友人・どんな関係の人に関わらず、初期流産の心配がある12週を超えるまでは知らせないつもりでいた。

夫もそれは理解してくれていて、私の家族・友人、夫の家族・友人と誰に関しても私が良いと思うタイミングで良いよと言ってくれたので、それに甘えることにした。イギリスのNHSでは10~14週に1回目のエコー検査があるので、それで順調な赤ちゃんの成長が確認でき、12週も過ぎたら夫の家族・友人に夫の好きなタイミング・方法で伝えていいよと、夫側の繋がりは夫に任せた。

例外は夫の職場のボスだけで、何かあったときにすぐに夫がサポートできるようボスには妊娠発覚後、すぐに報告。これは私たち夫婦の意見が一致していたので、スムーズに決まったことだった。

悩んだのはエコー検査が終わる・12週に至る前に「妊活の調子はどう?」と連絡をくれた友人、1年以上妊活中の友人、なるべく関わりたくはない私の両親、あたりだろうか。

まだ初期流産の可能性が高い時期に連絡をくれた友人

妊娠が発覚して直ぐの妊娠5週、1年ほどの妊活で妊娠し既に安定期に入っていた友人から、妊活の進展を問うメッセージをもらった。

出来れば初期流産の危険が減るまで黙っていたい気持ちと、妊活を始めてから妊活話をしていた相手でもあるし、連絡をくれたのに隠したり嘘つくのも嫌だなという気持ちがあり、どうしようかと悩んだ。

友人も妊娠しているし信頼できる相手ではあるので、私がこのタイミングでは妊娠を隠したとしても流産の不安も理解してくれるだろうし、悪くとられることは無いだろう。

妊娠報告のタイミングで一番怖いのが、運悪く流産となった場合だ。おめでたい報告をした後に流産の報告をするのは気まずいし辛いので、その後の関係にも支障をきたすかもしれないと考えると、少しでも流産の可能性が減ってから伝えたい。

…といった感じで悩みはしたが、流産への不安とともに彼女には正直に妊娠したことを伝えた。

彼女ではなかったら、この早い時期に正直に妊娠は伝えなかっただろう。彼女の人間性と、彼女も妊娠中であるといった状況など、色々考慮した上での判断だったが、今の時点では正直に言って良かったと思っている。

妊活が長期に及んでいる友人

これも難しい。

自分がなかなか妊娠しなくて悩んでいるとき、誰かから妊娠の報告を受けた時の辛さは想像できる。その人の状況や精神状態によっては、ただでさえストレスになる妊活に追い打ちをかけることになるので、非常にデリケートな問題だ。

私が妊活を開始する1年前から妊活を始めていた友人。いつものように生存確認のメッセージと近況報告などのやり取りの中で、そろそろ妊活始めようかと思うと伝えた時、既に1年ほど妊活していたと教えてくれた彼女。どうしても子供が欲しいわけではないが、年齢や今後のキャリアを考えると今動いた方が良いと判断したらしい。子どもが絶対に欲しいわけではなくても、なかなか妊娠しないことに対してはモヤモヤしているようだった。

私は運良く3カ月ほどのトライで妊娠できたが、もし私が彼女の立場なら私の妊娠報告をおめでたいことだと思うのと同時に、少なからず心がざわつくだろう。妊活中の友人の、「妊活に対する本気度」にもよるかもしれないが、不妊治療や妊活を自分で徹底的に管理などはしていなくても、子どもを望んで妊活をしているのであれば大抵の人は心がざわつくのではないだろうか。

私と友人は昔から結婚する気なんてなかったのに、二人とも価値観が変わって結婚したのだが、結婚したのは彼女が先で私は何だか寂しかった。喜ばしいことだし、彼女に素敵なパートナーが見つかって本当に良かったと思う反面、自分の孤独と向き合うことにもなったので私の心は不安でざわついた。当時の私はどうしても結婚がしたいわけではなかったけれど、それでも心がざわついた。

妊娠と結婚は違うかもしれないけれど、状況は似たようなもの。素直な祝福と、心のざわつき。

産まれるまで黙っているのも失礼だと思ったので、言わないという選択肢はない。色々考えたが、私にできる事は「どう伝えるか」ということだけで、報告を受けた彼女の反応は私にどうこうできる事ではない。何より、彼女は他の誰よりも付き合いが長く、こんな私でも深い話ができる数少ない相手だからたぶん大丈夫だろうと思ったので、伝えるべきタイミングで素直にアッサリと伝えた。

結果は予想通りの反応。おめでとうの言葉と、いつも通りの世間話をしてやり取りは終わった。それでも何となく相手の心がざわついている気がしたから、私も余計なことは言わないようにしたし、時間が過ぎればまた変わってくるだろうと思っている。

妊娠は奇跡の連続で、計画通り、思い通りにはいかない。だからこそいろんな心の葛藤があるが、お互いを尊重する姿勢があれば長く友人として付き合える。私たちは別の人間で違っていて当然なのだから。

出来るだけ疎遠にしたい実親への報告

私にとって、これが最難関の妊娠報告だった。

機能不全家族の中で実親からはさんざん差別を受け、傷つく言葉もたくさんかけられてきたので出来る限り親からの影響を自分の子供には受けさせたくない。関わりは最低限にしたいと考えているので、出来れば無事に出産するまで、もしくは日本に住む親と直接会う日まで子供のことは黙っていたかった。私はイギリスに住んでいるので会う機会は少なく、黙っていれば子供の存在は知られぬまま安心して子育てができるからだ。

しかし母に病気が見つかり、私が考えていたほど母の寿命は長くないかもしれないと思い、妊娠の報告をせずに上記の対応をした場合、私は後悔しないだろうかと真剣に考えた。…黙っていたら、たぶん後悔する。後悔するくらいなら覚悟を決めて伝えるしかないと判断し、仕方なく安定期に入ったタイミングで私に決心がついた時に報告することにした。

親がどう思うか、親はどうされたら嬉しいのか、といった視点では考えなかった。私が親の期待に応えるためにと取ってきた行動でも親は満足せず、私は傷つくことが多かったからだ。いくら親に気を使ったところで、何をしてもどうせ私に対しては親からいい反応はないのだから、自分の気持ちを優先させた方が良いと考えるようにしている。

親への妊娠報告をするにあたって、高齢妊娠であることやコロナのパンデミック中で妊娠・出産なので年齢以外でも何らかのリスクが増えるかもしれない事に関して、母から何を言われるだろうかと考えると憂鬱になった。

おめでたい知らせでも反応が薄いくらいなら、いつものことなのでどうということはない。多くの場合、それに加えてネガティブな話ばかりをされるから嫌なのだ。

母は恐らく「心配だから」「あなたの為を想って」と言えば、何でも言って良いと思っている。おめでたい事でも、明るい話題よりもネガティブな話題の方が好きらしく、私を傷つける余計な一言も多い。そうやって、無意識かもしれないが昔から自分の都合のいい様に子供をコントロールしようとしてくる。

私にとっておめでたい事を伝えても、たぶんシンプルに妊娠おめでとう、では終わらない。義両親のように楽しみだね、と話を膨らませることはしない(義両親のこの反応が嬉しくて涙が出た。おめでたい報告をただ喜んでくれるだけといった反応が、こんなに嬉しいことだとは知らなかった。実親では体験できなかったから)。

高齢妊娠・出産やコロナの影響のような私にとっては分かり切った、避けようがないリスクをネガティブに延々と話されたら、妊娠中で情緒不安定な私はまた親との縁を切りたくなるだろう。これを防ぐために、親への妊娠報告はリスクへの対処・説明などを交えたものにすることにした。

また、家族や友人の話のネタにされることは私には防げないので勝手にしろ、と考えている。彼らとはほとんど連絡は取らないし、何か言われても私の耳に入ってくることはほぼ無いので、放っておく。私にできるのは、私にくるであろう直接的な言葉から自分の身を守ることだ。

まずは予定通りに染色体異常の検査を受けローリスクであることを確認し、親には「陰性」と報告。イギリスの妊婦検診でのコロナ対策の徹底ぶりを説明。高齢出産であることは私が一番よく分かっており、リスクは調べてあるし私も夫もそれを覚悟した上で妊娠したので余計な心配は不要、とメッセージをした。

自分から連絡する気にはなれず、親が連絡をよこした返信のついでに妊娠したことを報告した。文面から「余計なこと言うなよ」というのを感じ取ったのか、母の病気の判明があったから明るい話題として受け取ってもらえたからかは知らないが、私が予想したネガティブな言葉は特に言われなかったし、父からは「生きる楽しみが増えた」と感謝された。

悪いことは言われなかったが、反応がいつもと違って気持ちが悪かった。

こうして無事に報告が終わり、一旦は肩の荷が下りたのだが、これから様子伺いの連絡が来るかもしれないと思うと気が重い。実際に報告後は母からの連絡は増えたので、返信しないか返信しても数日後にして様子を見ている。

自分と子供を守るために、どの程度の距離感で親と付き合うかは慎重に考えていかなければいけない。できるだけ連絡は取りたくないし、できることなら子どもの写真も送りたくないので、今からどう対応していくか考えている。

因みに、義両親は一番最初に報告されたことを驚きつつも喜んでいた。エコー検査確認後すぐに連絡したのだが、日本は夜だからうちの親には明日連絡すると誤魔化したのだった。義両親の嬉しそうな、素直な反応を最初に見れて良かったと思う。

今までの信頼関係とそれぞれの人間性

おめでたい報告をするときに、親から何を言われるだろうかと憂鬱になるのは辛い事だった。

もちろん、友人への報告や職場への報告で傷つくこともあるかもしれないが、友人や職場であれば上手く行かなかったら距離を置けばいい、今後は関わらなければ良いと家族よりは割り切りやすいと思っている。

分からないことは親に聞きたいから、つわりが辛くて助けて欲しいから、親の喜ぶ顔が早く見たいからと、妊娠発覚後すぐに報告できるような親子関係だったら、どんなに精神的に楽だっただろうか。

報告の仕方・タイミングを迷った友人に対しては、この人なら大丈夫だという安心感があったけれど、実親への報告は不安と恐怖しかなかった。

どんな妊娠報告になるのかは、今までの信頼関係や相手を尊重すること・思いやることといった、それぞれの人間性がものをいうのだろう。