美容の仕事をしていて、気になることがあります。
それは、「自分で決められない人」が多いということ。
また、「決められない」上に「自分で考えない・考えられない」。思考停止している人が多いです。
決められないのは、自分がどうしたいのか・どうなりたいのかがハッキリしていないからか、おそらく無意識だとは思いますが自分で決めて、自分の決めたことに責任をとることを避けているからだと思います。
思考停止しているというのは、おそらく普段から考える習慣がないから、日本の義務教育を受けていれば少し考えれば分かる事でも分からなくなっているのでしょう。
例えば、縮毛矯正後の髪をカットで内に入る様にしてほしいとか、ブリーチ・縮毛矯正の繰り返しで傷んだ髪に更に縮毛矯正をかけて綺麗にしてほしいとか、量を減らしすぎてスカスカになった髪をハネない様にしてほしい…など。
この辺は、ちょっと考えれば分かることだと思います。
もちろん、ヘアマニキュアが残った髪はヘアカラーで染められない、縮毛矯正後にコールドパーマはかからない…など、お客さんに専門的な知識がないのは当たり前です。…ですが、そこから説明しなくてはいけないのか…と思うことは多いです。
自分で考えずに、誰かから「答え」だけ得ることに慣れてしまっている。
「どうしてそうなるのか」「なぜそうなるのか」まで考えられる人は少ないように感じます。
まずはカウンセリングをしますよね。その際に、意外と多いのが、
- 「どっちがいいですか?」
- 「どうしたらいいですか?」
- 「これやって大丈夫ですか?」
…などの質問です。
もちろん、どちらが向いているか、それぞれの特徴や何がおススメかは説明していますし、場合によってはその施術をすることによるリスク(髪のダメージ等)も説明しています。
結果的にこうなればいいから、技術的なことや細かい理論の面からよく分からないからお任せで!というのであれば私にとって最善の方法を選んでやらせていただきす。
しかし、リスクを説明したうえでも「これやって大丈夫ですか?」という質問はちょっとズルいですよね。大丈夫ではないから、リスクを説明しているわけです。
そのうえで、リスクがあってもやってみたいのか、傷んでしまう・綺麗には仕上がらない可能性が高いならやらないことを選ぶのかは、そのお客さんの価値観次第だと思っています。
むしろ、私が決めていいのでしょうか?
私はその人の髪質などその人の特徴を生かした、ダメージの少ない施術で自然に近く・美しく…という価値観を持っているので、髪を傷ませてしまう、無理なことは基本的にしません。
髪を伸ばしていても毛先が傷んで手入れがしにくい、切らないとどうにも綺麗にはならないなら切った方が良いと思ってしまうタイプです(笑)
また、「どうしたらいいですか?」「どっちがいいですか?」と質問しつつ、本当はどうしてもやりたいと思っているのに施術者側からの「大丈夫です」「やってみましょう」という言葉を待っている人も多いように感じます。
それを感じ取れば本人の意向をくんで「ダメもとで」と伝えたうえで最善を尽くしますが、自分で選択せずに人任せにするのは、その結果に責任を取りたくないからですよね。
そう感じるからか、「自分で選べない」人となるべく関わりたくない。
考えること、自分で選択すること、自分の選択に責任を持つこと。自分にとって何が大切かが分かっていれば、自分で選べるはずです。
彼女たちの一部は、そもそも自分にとって何が大切か、自分がどうしたいかが分かっていなかったのでしょう。自分がどうしたいのか分からず、自分の核になるものが無ければ、自分で決める事なんてできないということなのでしょう。
その時はその方が楽なのかもしれないけれど、何が起こっても人のせいにしていたら何が悪かったのか考えて改善することもできません。
それは自分の成長を止めることにもなります。
自分で決めたことなら相手のせいにして気分が悪くなることもないですし、自己責任って大変な感じを受けるかもしれないですけど、何でも自己責任の考え方がくせになると逆にストレスは少なくなると思います。
そういったストレスは、自分が成長するきっかけにもなりうる。
自分で考えて自分で決めて、自分の選択に責任を持って、何かあったら改善してと、お互いに成長していきたいものです。