私は傷んでしまった髪が好きではありません。
なぜなら、上手くまとまらないから扱いにくいし、何より見た目が美しくないからです。その為、髪を傷ませるカラーやパーマ、毎日のアイロン・コテの使用などをやり過ぎてしまうことに抵抗がありました。
しかし、カラーやパーマの施術は好きです。
また、美容技術を利用して白髪染めをすることによって若々しくなったり、パーマをかけることで柔らかい雰囲気を出したり、「違った自分になれる楽しさ」があります。
お客さんの施術では、スタイリング後に嬉しそうにしてもらえると幸せな気分になります。
これらの技術は髪を傷ませてしまう反面、「見た目の変化を楽しむ」「気分転換が出来る」という、人の内面・外見ともに影響を与えられる、素晴らしい技術だと思っています。
傷んでしまった髪が好きではないと言っても、価値観は人それぞれなので、髪が傷んでしまうからこれはやらない方が良い…と、一方的に意見を押し付けるつもりはありません。
ただ、リスク(髪へのダメージ)を理解したうえで、施術をする・施術を受ける事はとても大切だと思います。
例えば、
- 雰囲気を変えて気分転換がしたいから、髪は多少は傷んでしまうけどパーマをかけよう
- どうしてもくせ毛が気になるから、髪にダメージを与えてしまうけど、縮毛矯正をかけよう
- ブリーチしてから色をのせるから髪は傷むけど、派手な色や外人さんみたいな髪色(ミルクティーとか)にしてみたい
ある程度のリスクを認識し、そのリスクを受け入れたうえで、こういった美容技術を利用して楽しむことは良いことだと思います。
リスクを認識せずに施術を受けて、こんなはずじゃなかったのに…と後で後悔するのは嫌ですよね。リスクやデメリットも受け入れた上で、自分が欲しい結果(メリット)を得ていると理解することは大切なことだと考えています。
髪を傷ませたくはないけれど、あれもやりたい・これもやりたい…というのは、髪自体に一度傷んだ髪を回復させる能力がない為、無理なことです。(髪は、皮膚にできた傷のように自然には治りません)
だからと言って、やってみたいスタイルがある、染めてみたい色がある、綺麗になりたい、可愛くなりたい!!!という想いを抑えることはないでしょう。
そう思う、行動することも素晴らしいことです。変化は楽しいですし、やりたいだけやってみたらいいと思います。
その際に、髪が傷むリスクを理解したうえで、美容を楽しむことが出来れば、何かあっても受け入れられるし自分も傷つくことは少なくなるでしょう。
また、リスクを理解していれば余程のことが無い限り、やり過ぎて髪を傷ませてしまうことが少なくなるでしょう。リスク(髪へのダメージ)を理解したうえで、施術を受けることは大切です。
それを決めるのはお客さんではなく美容師です
どういうことかというと、お客さんが薬の強さを決めたり、パーマの巻き方やロッドのサイズを決めたり、薬の放置時間を指定してきたり…は美容師からしてみれば(ある程度は参考になりますけど)正直迷惑です。
お客さんのやりたいスタイルにするためにはどうやるかは美容師によってそれぞれ違いますし、お客さんの変えたいところ・困っているところを無くすために、身に付けた知識・技術で対応していくのがプロです。
たとえばパーマなら、美容師によって毛束を取る量も違えば、ロッドを巻くときにかける力加減も違う。
だからロッドのサイズを指定されても、違う美容師がやったのとは同じ結果は出ません。
もちろん髪の長さが変われば結果も変わります。
また、繰り返しカラーをしていたりパーマをかけていれば髪は傷んでいきますから、ずっと同じ強さの薬を使っていくわけにはいきません。
また、放置時間も条件が変わればもちろん変わります。
毎回同じ条件でやるとは限らないのだから、お客さんがやり方を決めるのは場合によっては危険だと思います。言うとおりにやれば、どうなっても文句なしというならいいかもしれませんが。
普通に考えれば、美容師の方が知識も技術もあるので、自分で結論付けてしまうと美容師側はやりにくいことが多いです。
「こうなってしまったのはこうだと思うから、こうやって」というのは、ただの推測ですよね。理論的にあってますかね?
そうなってしまった原因を間違えてしまっていたら、何やっても直せません。
例えば頭が痛いから病院に行って、「風邪だと思うから、風邪薬ください」 って言っているようなものですよ。ちゃんと調べないと、原因はほかにあるかもしれないのに。風邪かどうかを判断するのは医者ですよね。
症状を説明すればそれにあった方法で薬出すなりなんなりしてくれますよね。どんな治療をするかは医者が決めますよね。それと同じです。
どうやるかは美容師が決めます。
髪の状態や希望を説明してもらって、どういう感じに仕上げるかを話し合って決めた方が良い結果が出やすいと思います。