短期間でも容赦なく値上がりする、イギリスのIHS

今日、イギリスのBBCニュースを見ていたら、EU圏外の移民が支払う必要のあるNHSの健康保険料についてのニュースが出ていた。

イギリスのビザを申請する時、申請料とは別に支払う必要のあるIHS(immigration health surcharge)という移民に課された健康保険料があり、現在は1年につき400ポンドである。私も2年半のビザ申請で1200ポンドを支払ったのは記憶に新しい。

イギリスで働いているEU圏外の移民の場合、日ごろから税金を払っているにも関わらずビザの申請時にはIHSの支払いもしなければならないようで、二重課税ではないかといった声も出ている。私はまだイギリスで働いてはいないが、普段の給料で税金を引かれているのにIHSまで支払わなければならないとなると、結構な負担になるのではないかと思う。

ニュースになっていたのは、移民で医療に従事している人にはIHSの支払いを免除するべきではないか、ということだった。

コロナウイルスのパンデミックの影響で、移民の医療従事者に対する扱いが見直されている。医療に従事しているのに、普段から税金払って更にIHSも支払うのはおかしいし、この支払いが負担となって離職に繋がらないよう、医療従事者と介護従事者を対象にIHSの支払いは廃止されるようだ。

ボリス首相も財源が~といった感じで反対していたようだが、結局は内務省と保健省に対し彼らの支払いを免除するよう要請した。NHSの人手不足と医療に従事する移民が少なくないこともあって実現したようで、個人的には良かったと思う。特に、EU圏外の移民は大変だろうから。

さて、そんな中で気になることと言えば、このIHSの料金である。

現在は年間400ポンドだが、残念ながら今年の10月に年間624ポンドに値上げ予定なのだ。

次回のビザ申請までに料金の変更がなければ、次の申請で私は1872ポンドのIHSを支払う必要がある。しかし、このIHS料金は頻繁に値上げされているので、もっと高額になる可能性は高いと思っている。

現に、私がイギリスの配偶者ビザ申請を意識し始めた頃のIHSは年間200ポンドだったが、私が申請する少し前に倍の400ポンドになった。400ポンドに値上げしてから約1年半で624ポンドに値上げ予定なので、正直言って辛い。

コロナウイルスの影響で世界中で経済的な打撃がある中、自分たちの懐だって寒くなっていくかもしれないのに、次のビザ申請の費用を用意できない事態にならないか不安でいっぱいだ。移民に対して厳しい姿勢が長く続くのかもしれないと思うと、苦労しそうで気が重い。

既にイギリスに5年以上住んでいるEU圏の移民であれば、ビザの申請料とIHSの支払いもなく、簡単な申請で永住権が付与されるようである。EU圏内の移民でもこれからイギリスにくる人や、5年以上イギリスに住んでいなかった人はビザ申請する必要があるので、IHSの支払いがあるのだろう。

EU圏内でもEU圏外でも移民であれば等しく請求されるようになるのだろうが、これからどれだけ値上げされていくのだろうかと考えてしまう。

NHSを利用するために税金を支払うのは理解できる。当然のことだと思う。

しかし、働いている場合は普段からイギリス人と同じ要領で税金を納めているうえに、ビザ申請でIHSも支払うのは、やはり違和感がある。今回の決定で対象となっているのは医療・介護の従事者であり、他の仕事に従事している移民は対象外だ。

イギリスがEUを離脱する前は、EU圏内の人たちもイギリス人と同等に扱っていたから、EU圏外の移民にのみ高額なIHSを課していたのだろうけれど、これからはEU圏内の移民もIHS支払いの対象となる。EUを離脱すれば、EU圏外の移民にとって少しは条件の緩和になるかなと思っていたが、支払う料金は高額のままなのかもしれない。それでもIHSの値上げが続くのであれば、移民への厳しい姿勢の度が過ぎているように感じる。

移民に払わせればいい。移民から搾り取ってしまえ、ということなのだろう。移民には選挙権もないし、移民の支払いを高額にすれば喜ぶイギリス国民も少なくないだろうから、搾り取る対象として移民は最適なのだろう。

ビザ申請の審査の厳しさ・分かりにくさに、高額な申請料、短期間でもどんどん値上がりするIHS。お金がないと生きにくい世界だ。

あー、気が重い。

次のビザ申請について考えるだけで頭が痛いのに、IHSの値上げにも注意しておかないといけないし、コロナウイルスの影響で経済的なダメージも想像がつかない。これからイギリスで暮らしていくにあたって、予測不能で先が見えないことが多すぎる。

母国の日本からはマイノリティの在外邦人として特別給付金10万は対象外になるし、移住したイギリスではマイノリティの移民として高額のビザ申請料と健康保険料。お金がないと生きにくい世界で、マイノリティの弱者だと大変だ。

…節約して、お金は貯めておこう。残念ながら今できる事はそれだけだ。