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イギリス移住後の「食」

イギリス移住後の「食」

イギリスへ移住して1年が過ぎ、先日、突発的に・無性に食べたくなったものがある。

…刺身だ。

もともと刺身が好きで週に2~3回は仕事帰りにスーパーに行き、2割・3割引きで刺身を買って夕食に食べる、といった生活を送っていたので刺身のない食生活なんて考えられないくらいだった。それがイギリスへ移住後、日本食レストランなどで食べようと思えば食べられるのだが、そう簡単には刺身を食べられなくなった。

1年以上刺身を食べていない!と気が付いたら無性に食べたくなってしまい、先日夫に頼んで寿司を購入。サーモンだらけの寿司ではあるが大満足だった。

さて、では普段の食事はどうしているかというと、私が夕食を作るときは日本食になることが大半だ。

味噌と醤油があればOK

海外に移住すると日本食が恋しくなるとはよく聞くし、日本食が好きなので大幅には食生活を変えることはせず、自分で作るつもりでいた。こっちのテイクアウトやレストランで提供される量に合わせて食べていたら確実に太ると思ったので、自分で作った方が良いだろうなという考えもあった。

基本的には味噌と醤油で味付けするのだが、鶏がらスープの素やだしを使って料理することもある。イギリスなので割高ではあるが、味噌と醤油は手に入りやすいので普段からガンガン使っている。

日本酒とみりんは手に入りにくいので、代わりに甘くない白ワインで代用している。白ワインを購入する際にラベルをチェックすると、dry⇔sweetの表記で甘いか辛いかの度合いが確認できるので、それを参考にdryの白ワインを選んでいる。

日本にいた時から基本的に砂糖は使用せずに料理していたので、こちらでも使用することは滅多にないが、みりんのような甘味が欲しいときは少量のはちみつ(もしくは砂糖)を加えて調整している。

できればめんつゆも欲しいところだが、使う頻度や価格、だしと醤油などで調整すればそれらしくはなることを考えて、必要ではないと判断したので使っていない。

他に味付けの為に用意しているのは、ショウガと粉末ニンニク、ごま油だ。サラダに醤油とごま油をかけて食べるのが好きなので、ごま油も切らさないようにしている。

基本的に味噌と醤油、白ワイン、だしや鶏がらスープの素があれば、日本食が恋しくならないくらいには生活できている。

米と麺

お米は英語でShort Grain RiceもしくはJapanese riceと表記されていることが多い。そういった日本のお米を購入し、常備している。欧州産の「こしひかり」を購入することが多いのだが、普通に美味しい。ちゃんと日本のお米の食感と味なので、違和感なく食べている。

近くのスーパーマーケットで手軽に手に入る麺はスパゲッティと中華麺で、中華麺はラーメンっぽくしたりできるし日本食の味付けをしても美味しくできるので重宝している。安いし、調理済みで温めて混ぜるだけのものもあるので便利だ。そして、たまにではあるがスーパーマーケットで「うどん」が手に入ることもあり、見つけた時の楽しみも味わえる。見つけ次第、大量購入している。

お米は好きなので常備しておくが、麺類はそこまで困っていないし現地で買ったものでも日本食の味付けに馴染むので、日本の麺類はわざわざネットなどで購入することは少ない。

困るのは野菜

上記の通り、主食やおかずの味付けは問題ないが、野菜には困る。

玉ねぎは常に使っており、ニンジン、パプリカもよく使うが、他に何を使えるかまだよく分かっていない。

私が日本でよく使っていた白菜や大根、長ネギ(それっぽいのはある)は手に入らない。これ何?っていうニンジンっぽい野菜とか、よく分からないので私の目にも止まらない野菜たち。こちらの料理を学べば使う機会もあろうが、面倒で日本食ばかり作っているので、こちらでよく使われる野菜を取り入れた料理が私にはできない。

そもそも、こちらの人たちは料理することが少ない気がする。

豊富な冷凍食品、日本で言う総菜のようなものも手軽に手に入るし料理と言っても、スロークッカーやオーブンを使って手軽に作れるものが多い印象がある。夫の家族や友人に食事に招待された時も、バーベキューや上記のような料理だった。

私が作っている日本食のように、フライパンや鍋で茹でたり煮たり焼いたり…というよりは、材料ツッコんでスロークッカーやオーブンに入れるだけ、後は色んなソースを使えばOKといったイメージがある。あとはサラダか。

野菜は上記の料理に少し入っているか、基本的に茹でただけでソースを付けて食べている感じで、私の周りにいる人たちに関して言えば、野菜の摂取量は少ない。

ここでの食事はバランスが悪い

イギリスに来てからは主食をガッツリ食べるような食事が多く、野菜不足でバランスが悪い気がするので、オートミールか全粒粉ライ麦パン(これにハムや野菜を使ってサンドウィッチにすると美味しい)を夫のいない昼食で食べることが多い。

オートミールは、こちらでよく見かけるようなフルーツやミルクを加えたレシピは好きになれないので、日本食の「おかゆ」みたいな味付けをして食べている。醤油やみそで味付けして卵を加えたり、だしとショウガを使ってみたりして凌いでいるが、最近どうも飽きてきたのでもっと工夫したい。

因みに、オートミールはパッケージに表記されている量よりも水を多めにした方が食感が好みだ。少ない水の量だとぐちょぐちょしていて何か気持ちが悪い。

ここでも結局、日本食を頻繁に食べている

ここで書いていて気が付いたのだが、私は自分で作って頻繁に日本食を食べている。そのせいか無性に食べたい!と思うのは刺身くらいで、日本食が恋しいと思うことが少ない。

移住する前に何度かこちらに来て夫と数週間過ごした時、こちらの食事は色んな国からの料理も楽しめるし普通に美味しいと感じるが、その食生活を続けたら健康に良くないし直ぐに太る自信があった。濃い味付けやソース、ポテト、サンドウィッチ、スーパーで手に入る総菜や冷凍食品を毎日食べて生活するのは厳しいだろうなと思ったので、自分が飽きない程度に自炊して日本食を作る気で移住してきた。

ありがたい事に夫は殆どの日本食を食べれるし、好きだと言ってくれているので、ここでの食事は私が作る日本食が多くなっている。これを続けるかは分からないが、こちらの食生活に合わせるのはたぶん無理だろうと思っている。

こちらで手に入る3種類の「素」を味付けに使う

日本では粉末の調味料でだしや鶏がらスープの素、コンソメなどが手に入るが、似たようなものでこちらで手に入るのは、ビーフキューブ、チキンキューブ、野菜キューブの3種類だ。

スープを作るときなどに加えられるもので、洋食を作るときに使用しているのだが、普段使う日本食の為の調味料が切れてしまった時に使ってみたら美味しかった。自分の作る日本食の味に変化を付けたいときや、日本食が食べる相手の味覚に馴染むか不安な時は加えている。

どちらの~キューブを使うのかは、使用する食材による。名前の通り牛肉の時はビーフキューブ、鶏肉の時はチキンキューブ(もしくは野菜キューブ)、ベーコンや野菜を使うときは野菜キューブすると馴染みが良く私好みの味になった。

今のところ、ビーフキューブに醤油、味噌、白ワイン、ショウガ、ニンニクなどを使って味付けするのが私の一番のお気に入りだ。夫も好きな味なので週1で作っている。

「~の素」系の調味料は日本のものが良いとよく聞くが、こちらの調味料も悪くない。ただ日本の調味料よりも完成度が低いような、何か物足りないような感じがどうしてもするので、塩、コショウ、しょうが、にんにく等も使って味を見ながら調理すると結構おいしく出来上がる。

流石に1年経つと自分の料理のレパートリーも少なく飽きてきたが、1年経ってもこちらで手に入る食材もまだ分からないものが多いので、自分の料理を改善していくことはまだまだできるだろう。