美容師不足について

美容師不足について

ここ数年、美容学校の入学者数と美容師国家試験の受験者数が減ってきているようですね。

また、美容院が多すぎてオーバーストアの状態なので美容師が足りないとも聞きます。入れ替わりの激しい業界ですから、常に求人はいっぱい出ています。


美容師の労働環境で説明した通り、美容師という職業自体恵まれた環境はほぼ無いですし、これから日本で生活していくうえで金銭面での負担(税金・年金の支払いなど)が増えることは目に見えていますから、労働環境に恵まれない職業である美容師が減っていくのも仕方のないことなのかもしれません。

また、税金の負担が増えたり、生活が圧迫されるようになると美容代は抑えるという選択をする人が多いでしょうから、美容師という職業でお金を稼いで生活していくにはますます大変な時代になるかもしれませんね。

美容師やっていたのにこんなこと言うのも悲しいですが、「美容師の仕事が好きだからやる」という価値観を一番に持っている人でない限り、美容師という職業は選ばない方が賢い選択かもしれません。

正直、普通に美容師していたのでは大きく稼げませんから。普通じゃなければやり方によってはもちろん、稼ぐこともできるでしょうけど。

もちろん、私も好きでやっていましたから美容師という職業の素晴らしさはよく分かっているつもりです。しかし、美容業界は労働環境でも衛生面の対策・配慮にしても、いろんな面で昔の感覚のままで遅れていますから、その環境がすぐには変わることはほぼ無いでしょう。

今の便利な時代、理不尽な修業期間がある職業とか、わざわざ苦労する道を選ぶ若い人も少ないでしょうから。

「これが美容業界にとっての普通だから」と、労働環境などの改善を図ってこなかった事に問題があるでしょうね。

それなら、自分の店を持って自分の好きなように仕事をしようと思うでしょうから、美容院がオーバーストアになったのもそうだし、美容師が足りなくなってきているのも当然と言えば当然なのでしょう。

なぜこんなにたくさん美容院があるのか

さて、美容院って多く見かけませんか?同じ通りにいくつもありますよね。よく見たら隣同士で美容院だわ・・・。なんてこともあります。

実は、正確な数は知りませんが、美容院はコンビニよりも多くあります。普通に考えてコンビニの方がお世話になる機会が多いのに、何か月かに一度行く美容院の方が多いんですよ。

そう、美容院自体がオーバーストアなんです。

「美容師の労働環境」の記事で説明した通り、美容師は独立して自分の美容院を持たない限り時間もお金も搾取され続けますし、場合によっては年齢制限に引っかかって次の就職先が決まらなかったりしますから、自分の美容院を持って好きにやりたいと思うのが普通です。

特に男性の美容師の場合は大手に勤めて幹部クラスになるか、独立して自分のお店を持たないと結婚や子育てにかかる費用を捻出するのが大変だと思います。生活はできるでしょうが、経済的にかなり苦しい生活になる可能性が高い。

また、ほかの職業の方よりはいくらか独立しやすいということも大きく関わっています。これらの理由も手伝って、美容院は多くなったのです。今でもさらに多くの美容院が新しくつくられています。そしてその裏では、それと同じくらいの美容院がお店を閉めています。

低料金の美容院も多いですし、美容費は真っ先に節約の対象になることが多いでしょうから、そのぶん生き残るのが大変なんですね。

今の日本の産業構造では、美容師含むサービス業の給料は低いですから、大きく稼ぎたいなら勉強して知識を得て、さらに知恵を絞らないと難しいでしょう。