完璧な美しさを求めたら苦しくなるのは当然

完璧な美しさってあるのだろうか、と考える時があります。

考える度に無いんじゃないかなと思っています。そもそも完璧な美しさって何でしょうかね。答えは簡単には出ないでしょう。

さて、どんな時にそういったことを考えるのかというと、美容の仕事で技術を提供していく中で、仕上がりに異常にこだわるお客さんに接した時です。

私は現在まつげエクステの仕事をしていますが、これは自まつ毛1本にエクステを1本~(技術によっては)複数本を接着剤で装着していきます。

かなり細かい仕事で、メイク(化粧)のビューラー・マスカラ・装着本数によってはアイライナーの代わりになる、美容技術です。

 

「綺麗になりたい」と考えた場合、体型やファッション、ヘア、メイクなどに時間やお金をかけますよね。

まつげエクステはその中のメイクの分野で、更にその中のアイメイクの一部の役割を果たすものです。

基本的には左右対称の方が綺麗に見えるので、左右のまつげの濃さや長さ、目幅などが均等に見えるように付けていきます。

そんな中で、仕上がりにこだわるお客さんの要望にも応えるようにしていますが、中にはちょっと病的に仕上がりを気にする人がいます。

どの程度かというと、拡大鏡を使って目元を見て産毛の一本まで指示してくるのですが、10~15分ほど自分の目元を鏡で見て観察し続け、自分が納得するまで続けます。こだわり・要求が細かすぎて怖いです。

 

このまつげ一本に対するこだわりって、「完璧に綺麗な自分でいたい」という思いからきているのかもしれないな、とふと思ったのです。

これって、無意識で「完璧に整えないと私は美しくない」と思っているのかもしれないですよね。この考え方は悲しくないですか。

美しい人は細部まで美しいのかもしれませんが、完璧に左右対称の顔の人はほぼいないでしょう。綺麗・美しいと言われる人でも、パーツ一つ一つをよく見るとちょっとfunnyな部分があったりします。…ですが、それが個性であり、その人独自の美しさではないでしょうか。

まあ、あまりにも美しい人を目の前にしたら、まつげの1本まで観察したくはなるかもしれませんが 笑

 

そもそも、人の顔をまつ毛1本まで細かく見ないですよね。瞬きしたり、目をこすったりしたらまつ毛の向きも変わります。

まつ毛も生え変わりますし、毛なので髪と一緒でダメージを受けてしまい、毛の状態が悪くなってしまう事もあります。自まつ毛が綺麗に生えそろっていないと、綺麗には仕上がりにくくなります。

また、まつげの生え方や、瞼の形・目を開いた時の見え方が元々左右対称でない人もいます。それをまつげエクステによって整えるのですが、「完璧に」は無理です。

 

人間に完璧さを求めたら苦しくなります。

だって、完璧な人間なんていないでしょう。だから完璧な美しさなんて、ないのでは?

無いものを求めたら、不満が溜まったり不安になったりするだけですよね。

まつ毛一本にこだわって気にする、まつげに限らずファッションであったり、髪型・メイクなどもそうですが、常に完璧に整っていないと気分良く過ごせない自分というのは、辛くはないでしょうか。

自分に対する自信のなさや周りからの目を気にして、そうなってしまっているのかもしれません。

それならば、その異常なこだわりの原因が何なのか考えて対処し、その原因を失くす方向に考え方を変えたり行動した方が、幸せに生きられるのではないかなと思うのです。

そういった異常なこだわりを持つ人は、自分のことしか考えていない人が多いように感じます。

自分だけ良ければいい、自分の求めるものが手に入るのであれば、他人の資源(時間、労力、お金など)を奪っても気にしないのです。

 

正直に言うと、そういった人とは関わらないのが一番だとは思います。

しかし、そういった人に出会うと、そのこだわりを他に向けてくれれば何か新しい価値を生み出したりできそうなのにな、とも思うのです。時間や労力のムダ使いに思えてしまって、もったいないな~と。

自分にしか興味のない人に、何言っても意味ないのかもしれませんが、完璧な美しさ何て求めたら辛くなるので止めた方が良いですよと言ってみたいですね。

…言えないからここで発信しているのですが 笑