イギリスへ来てから、普段着として着物を着ている。
なぜイギリスという異国の地でわざわざ着物を着るのかというと、単純に「着替える時間が取れるから」である。
数年前から、着物を着て生活してみたいという思いがあったが、仕事では決まった服装があり、せっかく着物を着ても着替える必要があるのでは、その煩わしさから着る気になれない。
そもそも着物を着る手間を考えると、仕事へ行く前に着物に着替える余裕は、どう考えてもなかった。…残念ながら、早起きはできない。
無職の今だからこそ出来る!ということで、毎日楽しんでいる。
日常で着物を着るとなると、その多くは小紋や紬になるだろう。
着物は好きな柄や素材を選べばOKな感じがするが(もちろんTPOに合わせる必要はある)、帯はどうだろうか。
名古屋帯/半幅帯…どっちが好み?
普段着で着る小紋や紬で合わせるとしたら、名古屋帯か半幅帯になることが多いだろう。
どちらも柄や素材、結び方によって少しフォーマル向けにしたり、カジュアル向けにしたりと、幅広く楽しめる。
名古屋帯でも結び方は工夫できるかもしれないが、その性質上、基本的にはお太鼓になることが多いだろう。私は絵柄を見せるためにあるスタイルだと思っている。
お太鼓の絵柄が一種のキャンバスになるので、お気に入りの絵柄があれば尚更楽しめる。
半幅帯でもお太鼓系を作ることも出来るが、絵柄を見せる感じにはならない。
半幅帯でも素敵な色柄はもちろんあるし、リバーシブルの半幅帯で見せ方を工夫するのも楽しいが、何よりも半幅帯はいろんな結び方を楽しむのに向いているだろう。
私からすると、お太鼓にして絵柄を楽しみたいなら名古屋帯、結び方を工夫して楽しみたいなら半幅帯、というイメージがある。
仕上がりの形や帯の柄などによっても好みは分かれると思うが、名古屋帯を好むか半幅帯を好むかの違いは、上記の好みによる違いが大きいのではないかと思っている。
私の好みは名古屋帯
私は名古屋帯の方が好みだ。
…というより、お太鼓が好きだ。
着物が好きな理由の一つに着物や帯の柄が素敵だから、というのがある。とにかく和柄が好きなのだ。美しいと思う。
TPOなんか関係なしに、豪華な帯を合わせて、美しい訪問着や振袖とか着てしまいたいくらいだ 笑
特に、お太鼓で見える柄は見ていて楽しい。また、前にくる面は柄がどこに来るか、帯揚げ・帯締めもどう合わせるかで楽しめる。
半幅帯でも帯揚げや帯締めを追加できるが、一重太鼓・二重太鼓のベーシックでシンプルな美しさには敵わないと思う。ただ私の好み、というだけだが。
また、私は今風の柄より少し昔の柄が好みのせいか、手ごろな価格で手に入れようとすると好みの柄の着物や帯がないこともあり、欲しい・着たいと思うものに中々出会えない。
中古であれば、着物も名古屋帯や袋帯も好みのものが見つかるが、中古の半幅帯はあまり見かけないし、見かけでも全く好みじゃなかったりする。
そのせいか、「半幅帯を買う」という行動自体を起こしにくいのだ。
身に付けたいという気持ちがわくのが、今のところは半幅帯よりも名古屋帯の方が強いというだけなのかもしれない。
結び方・見せ方に興味があるなら半幅帯が良い
ポリエステルの半幅帯は色も綺麗だし価格も手ごろで、しかもリバーシブルのものが多い。
今っぽい柄で好みのものが多いのなら、半幅帯は普段着として相当楽しめると思う。
結び方の種類も豊富だし、帯締めも3分紐や帯留の組み合わせを含めて工夫のし甲斐がある。
体型とのバランスを考えて結び方を工夫するのも、いろんな発見がありそうで、きっと楽しい。
気に入った半幅帯が見つかり、身に付けたくなれば結び方や見せ方にも興味がわくだろうから、半幅帯にもハマるかもしれない。
どこかに、私好みの半幅帯ないかなあ…。