今の半幅帯は幅が太い

今、リーズナブルで手に入りやすく自分で洗濯可能な半幅帯は、昔の半幅帯より太く作られていることが多い。着姿のバランスからすると、名古屋帯や袋帯の幅の方が私の好みである。

しかし、だからと言って昔の半幅帯を手に入れようとまでは思わず、どうしても気になるようであれば自分で縫って幅を変え、調整してしまおうかと考えていた。手元にミシンでもあればすぐにとりかかっているところだが、手持ちの半幅帯で幅を変えようか考え中だったものは約4メートル、更に長尺のもので4メートル以上で、正直に言って手縫いでやるのは面倒だった。

そこで、本当に幅を変えた方が良いのかを考えた。

幅を変えてしまえば、表から見たバランスは私好みになるけれど、半幅帯の結びはどうだろうか。よくよく考えてみれば、幅があるからこそ結びの変化とそのゴージャスさを楽しめるという面がある。幅を細くしても結びを楽しめると思うが、見栄えは今よりしなくなる気がするので、貝ノ口系の結びなどでシンプルにするのであれば幅を細くするほうがいいかもしれない。

因みに、貝ノ口系でヤの字とも分類されている基本形はこんな感じ。

左はオーソドックスな形で、右はそれをベースに手先を少し広げた形。

上のような、楽で普段着にはもってこいの貝ノ口系を作っていた時に、以下のように色々作ってみて気が付いてしまった。

…元がシンプルな形であるせいか、尚更アレンジが面白いのだ。

アレンジを楽しむと若干バランスが崩れてしまい私好みにはならないことも多いが、貝ノ口・やの字の結びでもアレンジ次第でお洒落にに見せることは可能だ。手軽に手に入るリーズナブルでウォッシャブルな半幅帯は、リバーシブルであるがゆえに、同じような結びをしても色の見せ方で別のものに見えたりもするから面白い。

もしこれらの半幅帯の幅を狭めてしまったら、このように楽しむのは難しくなる。今の半幅帯がこんなに太いのは、こうやってアレンジを楽しむためのものなのかもしれない。そう考えたら、自分で幅を修正してつかうのは止めておこうかなと思うようになった。

そう思い、最近よくやっているのが前の面を折ってしまう方法だ。

帯揚げの代わりに見えていると思えば、おかしいこともない。

元々帯の幅が広いので、好みのバランスにしようとすると半幅帯の時は帯揚げを使わないか、使用しても帯に入れ込んで見えないようにしてしまうことが多いが、この幅であれば帯揚げを見えるように使える。

安物でペラペラの半幅帯だからできる事なのかもしれないが、普段着で帯を楽しみ、快適な着心地にするにはいい方法で気に入っている。マジでお腹周りが楽だしゴワゴワして不快な感じもないので、しばらくはこの方法を採用するだろう。

何か不都合があった方が何とかしようと工夫するので、半幅帯が太かったらこそ楽しめている、ともいえる。前は名古屋帯とか袋帯の方が着姿が好みだし、お太鼓の柄が素敵で好きだったけれど、最近は半幅帯の自分で作れる面白さにハマってしまっている。

結んで、束ねて、押さえて、ずらして…等、アレンジに個性も出せる半幅帯。普段着を楽しむにはもってこいだと思う。一本あればいろいろできる、お金もかからず楽しめる趣味だ。いろいろやってみよう。