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着物の楽しいチラリズム

着物の楽しいチラリズム

着物の楽しさは色々あるとは思うが、最近気になっているのは「チラ見え」である。

チラ見せと言えば以前、道行コートを着るなら半襟は白ではなく、合わせ方を工夫した方が見せ方を楽しめそうだと書いた。こんな感じに。

しかし、半襟を付け替えるのが面倒だし、手元にある半襟は黒と茶のみで直ぐには楽しめそうもない。

それでもそれなりにコーディネートを楽しんでいたが、最近ふと、着物は着ている人が動いているときの方が見ていて楽しいことに気が付いたのだ。

まずは手元の動きで見える、袖の内側。

私は上のようにグラデーションになっているものが好みだが、グラデーションではなく単色でも、動くとチラ見えする色は見ていて楽しい。因みに私の手持ちの着物では、この袖の内側部分はほぼ暖色系なので他の色合わせも見てみたい。

これは単色

また、こういった袖の部分だけでなく、歩くとチラ見えする八掛の色合わせも見ていて楽しい。

八掛はここ↓

動くと八掛はこうやって見える。

静止している状態でばかり見ていたり写真に残していたので、外出して動きのある写真を見るまで、この楽しさと美しさに気が付かなかった。

本当に、着物を普段着ていた昔の人たちって、お洒落だったんだなと思う。

今の私たちが着物と聞いて想像する着物の形は、江戸時代に発展したものだと思うが、江戸時代の日本は経済成長が著しかったと聞いている。鎖国中の安定した環境の中で着物の文化も発展したおかげで、今私が着物を楽しめると考えると本当にラッキーだと思う。

古着の着物で検索すると、今ではあまり見かけないような色合わせの着物も見かける。私の手持ちの着物でも、特に面白いと感じる色合わせの着物は戦前やそれに近い古いものだ。

昭和に入ると、色合わせが今の私でも受け入れやすい、無難な色合わせのものが多い気がしている。それはそれで合わせやすく、違和感がなく着られて良い。

着物は基本の形が決まっている分、色や柄、素材、そしてこういったチラ見せでお洒落を楽しんでいたのかもしれない。とても素敵な感性だと思う。

洋服の方は一見して直ぐに分かるような、形の変化を楽しむもののような気がする。着物に見慣れてくると、洋服が色がつまらなく感じてくるから不思議だ。

着物のチラ見せの楽しさは、まだ気が付いたばかりなので当分楽しめそうだが、やはり和裁ができた方が着物のチラ見せお洒落をもっと楽しめるだろう。和裁かあ…ずっと迷っているだけで手を出せないのは、私の性格上、面倒で結局やらないと分かっているからだ。

現代の便利な生活に慣れすぎた私では、普段から着物を着ていた人たちのようにはチラ見せを楽しめないのか。

私も着物のチラ見せをもっと楽しむために、いつかやる気が出るといいな。

…そのいつか、がくるといいな。