日本から帰ってきて、もうすぐ一か月になる。
帰国するにあたり、何が何でも持って帰ろうと思っていたのは、炊飯器だ。夫のリュックに入れて手荷物として機内に持ち込み頑張って持って帰ってきた甲斐もあり、毎日のように大活躍している。最高だぜ、日本の炊飯器。今回の帰省では、一番の戦利品と言っていい。
今回の帰国で、やりたいことはほぼ全てやってきた。
親戚や友人に会ったり、娘と夫を東京ディズニーランド・シーにつれていったこと、アンパンマンミュージアムにも行けたし、早いけれど娘の753写真撮影、両親や姉弟家族でお出かけ、歯科治療、寿司・刺身などイギリスではなかなか食べられないものを食べる、等。
歯科治療は少し時間が足りず、気になるところ全てを終わらせることはできなかったし、歯科治療のせいで食事が制限され思うように日本食が食べれなかったことが、少し心残りではある。歯科治療のためになるべく早くまた行きたい。
今回の帰省で、日本語で話せる、何の心配もなく外出できるっていいよな…と、しみじみ思ったのだった。ああ、母国語で気兼ねなく話せるって素晴らしい。
歯科治療でも聞きたいことは何でも聞けるし、電車を使って出かけても、イギリスみたいにいきなりキャンセル・代替えなし・返金無しといった心配もない。殆どの駅や施設に快適なトイレ環境があるので、どこに行ってもトイレの心配はしなくていい。日用品の品ぞろえは豊富で、どこに行ってもサービスもいい。
驚いたのは、コンビニの支払いが機械になっていたこと。バーコードの読み取りはスタッフの手でやって、支払いは機械で終了。もう、スタッフ要らないじゃんって思いながらコンビニを利用した。
この滞在で、日本での生活はどれだけ快適で恵まれていたのかを実感した。また、自分が考えていた以上にイギリスでの生活に慣れてしまった、それに染まってきているということに気が付いたのだった。
人間ってすごいな。やっぱり慣れるんだ。日本に生まれて30年以上過ごし、イギリスにはたった4年半しかいないのに、慣れてきている。そりゃあ慣れないと精神的にも肉体的にもストレスになるから、慣れたほうが良いのだけれど、気が付かないうちに適応していくものなのだな。これから5年、10年…とイギリスでの生活が長くなるにつれ、日本での感覚がどんどん薄くなっていくのかと思うと、少し寂しい気もする。
日本だって変化していくのだから、帰る度にこういう風に感じるのだろう。いつか日本の親や姉弟、友人など、自分に関りのある人が少なくなっていったら、日本との関わりはさらに薄れていく。その時はどんな気持ちになるのだろうかと、ふと考えてしまった。
それでも、イギリスに来たことを後悔はしないだろう。
日本に一時帰国して気が付いたことは、意外と私はイギリスでの生活が好きなのだということだった。食事も慣れてきたし、今生活している環境が快適で心地いいせいか、帰ってきてからはここが自分の居場所なのだとホッとした。
美味しいパン、チーズ、ソーセージ。古くからある教会や町の建物は美しいし、今の時期は散歩に出れば、緑豊かで綺麗な花がいろんなところで咲いている。日本みたいにムシムシした暑さは無く、気温の高い日でも風が吹けば気持ちが良い。変わりやすい天気も面白い。
知らないことはまだまだいっぱいあるし、長く生活していけば当然、これから嫌な思いもするだろう。でも、これからももっとイギリスの良さを発見できたらいいなと思う。