美容師法では、美容師免許を持っていない人はお客さんに触れる仕事をしてはいけない、と定められています。
しかし、実際は通信制の学校に通っていてまだ美容師免許を持っていない見習いの人が、美容師アシスタント扱いでシャンプーやカラー塗布等のお客さんに触れる仕事をしていることが多いです。
本来なら、掃除や受付、お客さんに触れない類のヘルプ業務などしかやってはいけないことになっているんですけどね。
美容師法では免許なしではダメと言っているのに、美容業界ではそれが普通です。
美容師の労働環境と同じく、この美容業界の体質もおかしいですよね。
働き出してから、通信制の美容学校に通わないまま技術だけ身に付けた状態で、美容師免許が無いのにもかかわらずカットまですべてやってしまっている人も中にはいます。
美容院への立ち入り検査で、もし美容師免許なしでお客さんに触れる仕事までしていることがバレてしまったら、これから美容師免許を取りたくても取れなくなってしまいます。
以前勤めていたお店で、辞めていった人が「免許なしで仕事している人がいる」と保健所に通報したらしく、立ち入り検査された上に美容師免許と健康診断書の提出を求められました。
たまたま無免許の人は休みの日だったので大事には至らなかったのですが、もしその無免許の人がお客さんに触れる仕事をしていたら、アウトですよね。
普通にしていたらバレることはほとんどないし、美容業界ではこれが普通だからいいやって感じなのでしょうけど、万が一があるかもしれません。
何より美容師法違反。
立派な法律違反ですからやってはいけないはずなのですが、労働基準法さえロクに守れない業界ですから、このまま変わらないでしょう。
美容師国家試験について
美容師の免許を得るには、美容師国家試験に受かる必要があります。
厚生労働省が認可した美容師の養成所(美容学校で昼間・夜間なら2年、通信なら3年)を卒業すれば美容師国家試験が受けられるようになります。
美容師国家試験は実技・筆記があり、 両方受からないと美容師免許が得られません。
美容師試験の合格率は、美容学校の昼間制に通った方でしたら(学校にもよりますが)90%以上でしょう。ほとんどの人が受かります。
私が通った学校の私の代でも試験に落ちてしまったのは約150人中確か3人くらいでした。
通信制の場合は働きながらになりますので、昼間制に通う人ほど美容師国家試験の対策は出来ないようなので、昼間制よりは合格率は悪いです。
一緒に働いてた子で試験に落ちてしまった子も何人か見てきてますので、やはり働きながらだと難しいのかなと思います。
昼間制の場合は国家試験対策を念入りにやります。国家試験に受かる為に通っているようなものですし、当然なのでしょう。
通信制の場合、働きながらになるので普段の仕事をベースにして、国家試験課題も…となるので、昼間制の学生ほどみっちり国家試験対策が出来ないのでしょう。
美容院で働くと自分の時間はかなり少なくなりますし、通信制で美容師免許を取った方は尊敬します。
実技試験の内容は、カットと実技もう一種類(私の時代はパーマのロッドを巻くワインディング・セットローションを使ったオールウェーブ・ローラーの三種類の中からどれか一つでした。今はローラー無くなっちゃったみたいですね。)です。
実技試験は実技ももちろん大切なのですが、衛生面のチェックが厳しいです。
美容師法で、美容師の仕事以前に「衛生的」でないといけないというのが前提になっていますから、当然と言えば当然なのでしょう。
この衛生面の対策も、美容学校の昼間制に通っている人は先生から事細かに注意してもらえますから、やり過ぎというくらい完璧にして試験を受けます。
一方で、私が見た限りでは通信制の方は対策がとにかく甘いです。おそらく、合格率が悪いのにも影響しているのではないでしょうか。
時代の変化に合わせてですかね、試験内容は何年かに一度変わるようです 。
筆記の試験内容も少し変わったみたいですね。私の頃より科目が増えていましたし、試験自体が年々難しくなってきてると聞いています。
国家試験なのに、合格率が高すぎるからですかね…。
美容師免許持っている人は多くても、美容師は不足しているとか…。
なんにせよ、これから試験を受ける方は頑張ってください