2023.7 諸事情あり、仕方なくブログ名を変更しました
イギリスのEU離脱と移民、日本について思うこと

イギリスのEU離脱と移民、日本について思うこと

先日、夫の友人と彼らのパートナーたちと久しぶりに会った。

彼らはイギリス生まれイギリス育ちのイギリス人であるが、その中で一人だけルーマニアから移住してきた女性がいた。

7年前にイギリスへ移住し、今は息子と新しいパートナー(夫の友人)がおり、イギリスで仕事も家もある。

彼女と移民についてどう思うかの話になり、少し考えさせられたのでここでちょっと書いてみようと思う。

「移民についてどう思う?」

この問いには、「その国へ移住したいのであれば、その文化やそこで暮らす人達へのリスペクトは必要だと思う」と答えたのだが、この考えには彼女も同意だった。

その地で暮らすのに、その暮らしの豊かさや金銭面でのメリットだけを利用し、自分たちの考え方や生き方は変えません…といった姿勢では、軋轢が生じるのは目に見えている。

特に、宗教観の違いは大きい。これは簡単には変えられないだろう。

だからこそ、せめて移住先の国へのリスペクトが必要なのだ。その地でどう生きるか、といった姿勢はお互いに快適に生きていく為に欠かせない。

しかし、誰もがこういった考えを持っているわけではなく、移民にもいろんな考えを持った人がいるので、ここで軋轢が生じてしまう。

貧しい国から豊かな国へ行きたいと考えるのも理解できるが、移住してからその地でどう生きるか、といったところは受け入れ側はどうにもできない。

だからEU圏内であれば移動は自由、というのは自分もその自由が謳歌できる反面、ある程度のリスクが付きまとう。

そういった面からも、個人的にはその国での滞在にビザは必要だと思っている。

その国で生活したいのであれば、その国に行きたいと思う好意的な理由があり、移動の自由が認められていなくても、行きたい人であれば条件をクリアしてビザを取るだろう。それだけの話だ。

…といっても、それは経済的に恵まれた国の出身だから、そう思えるのだろう。日本は既に衰退国で、もう先進国とは言えなくなっているけど。

生まれた国や地域でそういった格差があるのは理不尽だと思うが、現実のこの世界は理不尽なことばかりで、悲しいことに個人の力ではどうにもならない。

実際に、先進国に生まれても生きにくいとか、不幸だと感じる人はいる。その中でどう生きていくか、ということに向き合うしかないのだ。

何の負担も無しに自分のメリットの為だけに移住できるようなシステムは続かない。これは移住だけに限らず、人が生きていくにはそのバランス感覚が必要だろう。

ただ、夫の友人のパートナーである彼女のように、イギリスで築き上げた生活がある移民に対しては、やはりその生活を維持できるような計らいはする必要があると思う。

私たち夫婦が、EU圏外の日本からイギリスのビザを取得するのは大変だったという話をしたので、不安になったのかもしれないが、彼女の立場からするとやはり不満があるようだった。

イギリスで数年を過ごし、ここでの生活を確立している彼女にしてみれば、ここでの生活を奪われるかもしれない不安と、ここで生きてきた自分が認められないような複雑な感情があるのだろう。

やはり、移民の問題は難しい。

日本でもこういった問題に向き合う必要がこれから出てくるだろう。積極的に移民を受け入れる政策をしていくようだが、こういった問題にどう対処するのだろうか。

日本にも日本独自の文化があり、無宗教とは言われているが日本独特の考え方がある。

移民の多くが日本が好きで、日本の文化を尊重するとは限らない。

私が日本へ帰省するたびに、大きな変化を感じることになるかもしれないな…と、少し寂しく感じる気もする。

イギリスのEU離脱

イギリスがEU離脱の選択をした一般的な理由として、移民の問題はよく挙げられる。これは複雑で難しい問題だから、他にも理由はいろいろあるだろう。

EUにいても、そこから離脱しても、どちらにせよメリットとデメリットはある。

それでもEU離脱という結果になった。

私個人としては、これはイギリスだけに問題があるのではなく、EUに問題があると…というより、イギリスやEUだけではなく、世界が抱える根本的な問題として、今のグローバル化に限界がきているということだと考えている。

アメリカ主導のグローバル化で、金融資本主義や新自由主義が推し進められてきた。

それによって豊かさを享受したのが金融業界や一部のエリート層であり、多くの一般市民は生活が苦しくなっていく、というのがアメリカをはじめ世界で起こっていることだ。悲しいことに、もちろん日本でも。

イギリスのEU離脱は、そういった現実を変えたいという人たちの思いが反映された結果だと思う。

正直に言うと、イギリス国民がEU離脱の選択をしたとき、ちゃんとNOが言える人たちで羨ましいと思った。

日本ではこうはいかないだろう。…むしろ日本が滅びるまで止められないかもしれない。

イギリスは通貨をユーロに統一していないこともあり、イギリスがEUから抜けた後は徐々に良くなっていくと思う。

しかし、EUを抜ける過程は大変だろう。実際に、EU離脱に関するイギリスのニュースを見ると、混沌としている印象しかない。

どれだけの負担を背負うことになるだろうか。

歴史から見てもイギリスは、政治面ではうまく立ち回る知恵が日本よりはありそうだと思っている。

これから夫と生きていく予定の地なので、離脱後は大変だろうけれど一般市民がもう少し生きやすい国になってほしいなとは思う。

イギリスに限らず、多くの一般の人たちが生活しやすくなるためには、今の金融業や一部のエリート層だけが富むようなやり方からは離れる必要があると考えている。

日本人である私からすると、日本でもこういったグローバル化に歯止めをかける動きがあった方が良いのではないかと思うが、TPPや移民政策などを見てもそうはいかないのだろう。

世界の動きに逆行しているけれど、大丈夫なのか?

…大丈夫ではないだろうなとは思うが、私も日本人だからか日本が生きやすい環境にってほしいという希望は捨てられない。

個人ではどうすることも出来ない「世界の流れ」ではあるから、私もその中でどう生きていきたいか考え続けていこうと思う。