産後から服装迷子、迷走中

産後から服装迷子、迷走中

産後、私は見事に服装迷子になった。

妊娠・出産が体に与えるダメージや変化は大きく、産後の生活・価値観の変化は更に大きかったので、その大きな変化に肉体的にも精神的にもついていけなかった。それに加えてアラフォーゆえの加齢による体の変化もあり、鏡に映る自分の疲れ切った姿を見て絶望した。

妊娠・出産・産後、それと加齢による変化は話には聞いていても、自分の身に起こるまでは「そんなこともあるんだ~」くらいにしか思っていなくて、実際にその変化を目の当たりにしたときに「これか~!このことだったのか~!!」と納得したときの清々しさは、意外と気持ちが良かった。諦めがついたというか。

自分の変化に絶望しつつも、娘が2歳になるまでは授乳が必要だったし、自分の変化を研究(笑)する時間も余裕もなかったので、服装迷子のまま過ごしていた。その頃の写真を見ると芋くさいおばさんが映っていて、可愛い娘とのギャップが辛い。

娘が卒乳し、服を汚されることも減ってきたし、アクセサリーを口に入れたりする心配も既にない。服装の制限が減ってきて、今優先させることと言えば、動きやすくて汚れても洗濯機で容赦なく洗える、ということくらい。やっと、少しは好きな服が着れるようになった。

…が、ここは日本ではなくてイギリス。イギリスの気温や気候、今の生活に合わせるとなると、働いて気ままに独身をしていた頃と服装は異なる。一番の優先は防寒になったので、若いころのようにファッションis我慢の生活はもう送れない。

更に、日本の「質がそこそこ良くて安い」というのに慣れてしまっていたので、イギリスで手に入る服のデザインと質やサイズ感と価格などを総合して考えると、購入はできる限り避けてしまう。

こうして、私の服はユニクロ一択になった。

海外仕様なのでサイズ感は少し違うし、日本のユニクロに比べると価格も高い。それでも、価格と質の面でユニクロに匹敵するお店は見つからない。更に、日英のネットショップのレビューが確認できるので、店頭に行かなくてもある程度の予想はでき、セールも多いので手ごろな価格で手に入る。

日本にいたら、全てユニクロというコーディネートをする機会は無かっただろう。デザインによればユニクロだと直ぐバレることもあるだろうし、会う人・すれ違う人と同じ服を着ているのはちょっと気まずい。同じ服を自分よりカッコよく着こなしている人の横にはいられない。

でも、ここはイギリスのとある田舎の町で、ユニクロを着ている人はほとんどいないのではないだろうか。だからバレることも、カブることもなく過ごせる。

ということで、私の服はユニクロ一択になった。すごいよ、ユニクロ。

着ている服が全部ユニクロになってしまったのは、産前の服が入らない、もしくは入ってもムチムチで太って見えたり、イギリスの寒さに勝てないデザインや素材だったからである。でも、ユニクロだけではやはり物足りない。ベーシックで質もいいのだけれど、決まりきらない。ユニクロは女優さんが着ていても何かが足りなくて微妙な時だってあるのだから、産後太ってガッチリ体型のアラフォーの私なら尚更残念な感じになる。

私は服装迷子のまま、まだ迷走を続けていた。

そこで、ジュエリーを足すことにした。これも産後控えていたお洒落ではあるのだけれど、アクセサリー解禁!!やったー!!

…が、つけ始めて早々にお気に入りの18金ネックレスを娘が破壊。お気に入りと言ってもゴールド系はこれしかないし、そもそもジュエリー自体手持ちが極端に少なかった。理由は、私は気に入ったものがあれば大満足!というタイプで、気に入ったものを毎日つける人だから。結局、気に入ったもの以外は付けないので、中途半端なものではなく長く使える良いものが欲しいと、8年前、18金のゴールド系・シルバー系のネックレスとピアスを一つずつ、合計4点買った。

そう、8年も前に。

今でもお気に入りで、今の年齢でも問題なく使えるものではあるけれど、ゴールドのネックレスは破壊されてしまったし、小さめで華奢なものは今の年齢では少しばかりボリュームが足りない気がする。8年の変化は伊達じゃない。

ジュエリーを追加しよう。さて、どうするか。

高価なものは買えないし、買ってもまた娘に破壊されたらと思うと、たぶん使えない。今の私にとってジュエリーは、体型や肌のくすみなどを全力で誤魔化すためのアイテムで、前とは少し用途が違う。…かといって、チープなアクセサリーではアレルギーの危険があるし、私の加齢をカバーしきれない気もするし、何より気分も上がらない。

長く使えるものが良いので18金のジュエリーが欲しいけれど、軽く調べた感じだとイギリスでは9金や14金のものが多く、18金はあまり見かけないし値段がかなり高い。この時点で18金の購入は諦めた。ネックレスの修理も日本よりかなり高くつきそうなので、しばらく保留。

シルバーは手入れが面倒で避けていたけれど、そういえばシルバーの輝きって美しかったなと思い探してみると、デザインが素敵なものが多いし価格もお手頃。それに、18金の「コーティング」ではなく「gold vermeil」であればお手入れ簡単で長持ちしそうだし、経年劣化による色の変化も楽しめるということなので、ゴールド系のジュエリーも地金はシルバーで集めてみることにした。

迷走を続ける私のファッションを何とかするために、こうやって許容範囲の金額で私好みのジュエリーを探すしかない。以前はピアス・ネックレスで満足していたけれど、これからは指輪とブレスレット・バングルも追加した。

で!買ってみたら正解!!

迷走中の全身ユニクロコーデが、ジュエリーのおかげで一気にあか抜けてきた。やっぱ歳を重ねてきたら、ジュエリーは必須。

問題があるとすれば、これが楽しすぎて買い物が止められないということ。お買い物中毒になっている。でも、お気に入りの決まった組み合わせができれば、それしかつけないことは分かっているので、服とジュエリーの組み合わせがある程度定まるまで楽しむことにした。

少しお金かかっても、これで毎日明るく過ごせるならそれでいいじゃん!8年もジュエリー更新していなかったんだし。私の性格上気に入れば何年も使うだろうから、ちゃんと今の状況で無理のない価格、普段の生活に合ったデザインや素材で楽しむ分には問題ない!

服装迷子・迷走中に終わりが見えてきた…かも?