そんなに依存先って増やせるものか?

そんなに依存先って増やせるものか?

経済的な自立を目指していたが、この考え方では私は絶対に幸せになれないと気が付き、「依存先を増やし、自立する」という生き方に変えて何年も経った。この考え方では、「依存先を増やせば増やすほど、自立する」と言われている。確かに、その通りだと思う。

しかし、そんなに依存先って増やせるものか?という疑問は、私にずっと付きまとっていた。

子供のころから親は私の依存先になっておらず、今は年老いた親にとって私は依存先になっていない。親と私では良好な依存関係が築けなかったからである。そして親にとって3人いた子供のうち、依存先として頼れそうなのは私以外の2人となった。

このことを考えると、親には3つの依存先の関係を良好に築き上げる能力や時間、お金などの資源がなかった、といえるだろう。完全にキャパオーバーだったのだ。

依存先を作り良好な依存関係を維持するには、自分の資源に限りがあるのだから、依存先となる対象も限られるのではないだろうか。もし私に子供が何人もいたら自分の使える労力や時間、お金などでどの程度子供と良好な依存関係が作れるか、と考えると「あ、無理」という感じである。私が持つ資源では、全員と良好な関係が築けるとは思えない。

これは家族関係だけではなく、友人、親戚、仕事関係の知り合いなどでも同じではないだろうか。良好な依存関係を維持できる数は、自分の資源には限りがあるのだから無限に広げることはできないだろう。

すごく徳の高い行いをしており多くの人から尊敬されている人や、体力やお金がある人は、普通の人よりは依存先を増やせる可能性が高いとは思うが、そんな人はごく一部であると思う。

そして自分が使える能力や時間、労力やお金、相手に対する感情などは、自分にとって大切な相手から優先的に与えてしまうものではないだろうか。たとえ一時的に依存先を増やしても、良好な依存関係を維持できなければ依存先として機能しないのだから、自分に対応できる範囲でいい関係を築いていったほうがいいのではないだろうか。

また、もう1点気になっていたことがある。

もし自分の家族が多くの依存先を持っており、自分に対して「他に依存先があるから、こいつとは切れてもいいや」と考えるような相手だったらどうだろうか。こんなにアッサリ考えないとは思うが、依存先がたくさんある状態なら、「この繋がりを失ってもいい、我慢などする必要はない」と行動に移すことは容易くなるだろう。

依存先が一つしかなければ他の人に頼れないからと我慢したり、相手に隷属してしまったりする可能性が高くなるので、複数の依存先が必要である。しかし、家族であればある程度は強い繋がりがないと良好な依存関係を維持するのは難しいのではないだろうか。

もし相手が異性として多くの人にとって魅力的であったり、お金を持っていたりしたら、相手は自分より強力な多くの依存先を持てる可能性があり、自分から去ってしまはないかと不安になるだろう。

こういったことを考えると、「依存先を増やせば増やすほど、自立する」ということを幸せに再現できる人は限られる気がするのである。

私のような凡人には、家族でいえば娘と夫、加えられるとしたらあと一人といったキャパであろう。それ以上になると、私に親や他の家族などの強力な依存先がなければ無理である。

これは友人や仕事関係の繋がりでも、同じようなことが言えるだろう。どの程度の広さや深さの関わりであれば、良好な依存関係を維持できるのかは、人によって違う。依存先を増やそうとしても、いい依存関係でなければ依存先として機能しないのだから、どのような依存先をどのくらい持つかはよく考えたほうがいい気がするのである。

「依存先は増やせば増やすほど、自立する」というのは、多くの人に尊敬される聖人のような人やお金をたくさん持っていいる人など、ごく一部の人にだけできることなのだと割り切って、私はコツコツと依存先を増やしていこうと思う。

依存先は、3つあればなんとかなるのではないか、と感じている。一つの依存先を失っても、ほかの二つがあれば相手に隷属せずに何とかなる気がするのである。それからまた依存先を一つ増やせばいい。

例えば家族で3つ、親戚や友人で3つ、仕事で3つという大きく分けて3つ(合計9つ)の依存先があれば、不運な目にあって大きな依存先のうち一つが欠けても何とかなるのではないだろうか。家族が欠けても友人や仕事の繋がりがあれば大丈夫、仕事でうまくいかなくても家族や友人がいれば大丈夫、というように。

家族は難しいかもしれないが、親戚・友人や仕事でそれぞれ依存先が3つあり、一つが欠けたとしても残りの2つに支えられながら、新たな依存先を作ればいいのではないだろうか。

4つ、5つと依存先が持てるに越したことはないだろうが、3つあれば何とかなる気がするのである。

自分に子供がいる場合、これは強力な依存関係となるので、普通に考えればこの依存関係に多くの資源を与えることになる。子供がいない人に比べ、家族以外の依存先に使える資源は少なくなるが、そのぶん切れにくい依存関係を持てるのだ。

また、子供のいない人はそれ以外に使える資源が多いので、「依存先を増やせば増やすほど、自立する」を実行しやすいのではないだろうか。どちらがいいのかは人それぞれだろう。

「依存先を増やし、自立する」という生き方をどのように実践していくかは、今後も自分に向いた方法を考えながら行動していきたい。