娘がnurseryに通い始め、イギリスの学校の運営スケジュールを始めた見た時、不思議に思ったことがある。
イギリスでは共働きの場合、どうやってこれだけ多くの学校の休みに合わせて働いているのか、どうやって学校への送り迎えをこなしているのか、疑問で仕方が無かった。
イギリスは12月から1月の冬休み、4月中旬の春休み、7月中旬から8月の夏休み、この休みは日本と同じ感じなのだが、それ以外に2月・5月・10月にそれぞれ1週間の休みがある。また、4歳から始まる日本で言ったら義務教育的な学校は9時から3時とかなので、この送り迎えも普通に1日8時間とか働いていたら難しいはず。
これはどう考えても、共働きの場合は誰かの助けなしに生活を成り立たすことは不可能だろう、と思った。
ヨーロッパの国もしくは先進国は…女性もバリバリ働くのが当たり前で専業主婦とかありえない、子供は高額でも保育園とかに預けるかナニーを雇う等といった情報を目にしていたから、そういう人たちが多いのかと漠然と思っていたが、現実は違った。私が住んでいるところはイギリス東部の小さな町なのだけれど、そんな感じはあまりない。
多くの人が、自分たちの両親の手を借りて、働きながら子供を育てている。実際は、子供を預けるのにはかなりのお金がかかるのでそこまでしたくない、親が手伝ってくれるなら働けるけれど、そうでないならば夫婦のどちらか一方は働かない、といったケースも少なくないのだろう。
また、リモートワークができるのも一部の人なので、両親などの手を借りず自由な働き方で、自分たち夫婦の力だけで子供を育てられる人も恐らく少ないのだろうと思う。
もしかしたら、私が目にしていた情報は、イギリスで言えばロンドンなどの都市部で少数存在している金銭的に恵まれた人たちの話なのではないか、と思ったのだった。イギリスに住んでいる日本人の半数はロンドンにいるので、ロンドンから発せられる情報が多いからそれがまるでイギリスのことを言っているように受け取ってしまう。それがイギリス全ての地域に当てはまるわけではないのに。
日本でも東京と地方都市でも違うし、さらに田舎へ行けばもっと違う。それと同じだわ。納得。
ロンドンから日本に情報発信していた人で私の上の世代なら、当然のようにある程度の学歴はあっただろうし留学などができる環境にいた人で、ロンドンでそれなりに稼ぎの良い職を得られていた人…が多かったのではないだろうか。もちろん、その周りにいる人たちは同じような環境や価値観を持った人が多かったのだろう。それならそういった生活が普通だと思っても仕方ない。
こんな簡単なことにも気づかずに何となくのイメージで、あれ?思っていたのと違うとなったけれど、同じような先進国であれば結局はどこも同じような問題を抱えているんだよなって気が付く。
義姉は週4日のパートタイム、義兄はフルタイムで共働きをしているのだけれど、子供の送り迎えは既にリタイアしている義父の担当で、学校が休みの時も義父が子供の面倒を見ている。夫や夫の家族曰く、親の助けなしで共働きとか無理に決まってるじゃないか、親の手を借りないと無理でしょ、だそうです。
娘が通っているnurseryのすぐ隣にはprimary schoolがあるのだけれど、送り迎えに祖父母がきているのも少なくない。また、町の図書館でも子供向けの無料クラスに祖父母が子供を連れてきているのをよく見かける。
こんなに学校の休日があって、日本の小学校と違って集団登下校とかは無いから子供がある程度大きくなるまで送り迎えは必須、となると親の助けなしでは共働きは無理ってなるのは、そりゃそうだよな。
こんなに休みがあって送り迎えも必須でってなったら、頼れる人がいないのであれば夫婦のどちらかは働かず、家事育児に専念した方がストレス少なく済む。学校の休みとか昔からこんな感じなのだろうけれど、これからしても共働きを想定していないシステムだと思うし、昔の男性が働いて女性が家にいるっていうのをベースに作られているのだろう。だから、二人とも働くとなればサポートしてくれる人がいないと難しい。
こういった環境で、尚且つ今の私たちの状況で私が働いても、大したお金にはならないのに自分たちに降りかかってくるストレスは膨大になると想像がついてしまうので、私は専業主婦をしている。ちょっと飽きてきたけれど、まだ働く予定はない。しかも今の生活に慣れてしまったから、正直に言ってまた働くのはダルいなって思っている。怠け者なもので。4歳から子供のprimary school通いが始まれば、もっと自分の時間ができるから暇を持て余して働きたい!となるような気もするけれど、私たち夫婦の場合はこの学校の休日の多さを考えると結局は専業主婦でいた方がいいってなる。
結局、どこに行っても、誰かの手を借りずに共働きで子育てもするのは大変。そもそも私のような怠け者に、共働きで子供を育てる能力は残念ながら無い。親の助けが借りられなくて、気兼ねなく専業主婦ができる環境でよかったのかもしれない。