「お金を稼ぐために働く」ことの虚しさ

「お金を稼ぐために働く」ことの虚しさ

美容師を辞めたころから、もっとお金を稼げるようになりたいなと思いながらも、「お金を稼ぐため」に働くというのが、だんだんできなくなっていった。

美容師の時にはヘアケア製品やヘアカラー・パーマ薬剤の髪への影響を見てきて、この仕事の一部は美容業界の搾取の構造にからめとられていて、調べれば調べるほど、学習すればするほど「美しいとは何か。情報や世間の常識に踊らされていないか」等と考えてしまう。(参考→美容業界が利益を出すためのシステム

自分の顔・手・腕は、仕事で使うものに含まれる合成界面活性剤や化学物質によるアトピー症状でボロボロ。ステロイド剤を使って凌ぎ、日常生活は様々なものが原因となるアレルギー症状のオンパレード、アレルギーマーチと呼ばれる状態で健康的な生活とは程遠かった。

自分の皮膚を見れば、日々使用している薬剤が人の体にどんな影響を与えるかが見えてきて、こんな影響がある薬剤を使用する技術を「安全だ」と説明し、お客さんに勧めなければ利益を出しにくく、事業継続の絶対条件ともいえる「利益を出す」ということができにくくなってしまう。

お客さんによっては、ある種の中毒症状ではないかと思うほど、毎月のようにカラーやパーマ、トリートメントで髪を痛めつけてパサパサ・ボロボロで不健康な扱いにくい髪になってしまっていたり、「若さ・美しさ」への病的な執念をかかえている人もいて、「美容」に対する精神的な面にも目を向けるようになった。

そういった事に気が付いてから、もう美容の仕事はできないと思い、転職してまつげエクステの仕事をする時は真剣に調べたり考えたりはせず、ただ技術・サービスを提供して自分のストレスにならないようにしようと決めていた。

しかし、自分の体質・気質は直すことはできないので、まつげエクステにも美容師の時と同じような問題が見えてきて、今の日本で動いているシステムの中で美容の仕事を続けていくことは難しいと実感した。

美容師の仕事も、まつげエクステの仕事も、見た目を整えて人が気分良く生活できる、ちゃんと意味のある仕事だということは理解しているが、いろんな面で「過剰だ」と感じることが多く、その「過剰なこと・無駄なこと」をやり続けなければ、お金を稼いで利益を出し事業を維持することがしにくいシステムに嫌気がさした。

ネット副業で広告費を稼いでいた時も、最初のうちは見る人に伝えたいことがあったり、自分なりのこだわりがあったりしたが、そのうち「どうすればもっと稼げるか」を考え始め、最初に持っていた自分の伝えたいことやこだわりは薄れていき、「お金を稼ぐ」のが目的になったことでつまらなくなる。

結局、「お金を稼ぐ」ことが目的ではない、趣味のブログをやっている方が楽しく継続できる。

「お金を稼ぐため」にやらなければならない過剰なこと・無駄なこと、他にもハッキリとは言葉にできないモヤモヤがあるのに、それを無視して仕事をすることができない。それができればもっと楽に過ごせただろうが、そのモヤモヤに取り組むことを避けられない・誤魔化せないので、こういったモヤモヤのない「自分にとって意味のある事」をやりたいと思っている。

身に付けた美容技術は、家族や友人・知人に時々提供しているが、これが単純に楽しい。これを提供することで、他の形で何かが返ってきたりする。また、着付けの知識・技術は今は自分で楽しむために使っている。これもそのうち、何らかの形で提供できるようになれたらもっと楽しいだろう。

「お金を稼ぐために働く」というのは、生きていくのにお金が必要な世界に生きているから当然のように感じるが、お金を稼ぐために無駄なことをしていたり、自然を破壊していたり、生きている人間に少なからず害を与えていたり…ということがこの世界では起こっており、それが行き過ぎてしまっているように感じる。コロナの影響で、こういった無駄なことや破壊行為が減っていき、人がもっと人間らしく生きられるよう変化していけばいいなと思う。

今でも幸せに過ごしているけれど、田舎で自然に囲まれて、助けあえる友人がいて、大切な家族と生活できれば素敵だなあ。