正気ですか?弟よ…両親と同居とか、信じられない

正気ですか?弟よ…両親と同居とか、信じられない

いきなり重い話題になるが、先日、母に病気が見つかった。

詳細を把握するにはまだ検査が必要らしくハッキリしたことはまだ分からないが、こういった両親の命に係わる連絡が来るのはまだ先だと思っていた。想像以上に早かった。

複雑な思いはあるが、ふと思ったのは「なぜ父ではなく、母が先なのだろう」ということだった。父より母が好きというわけではなく単純に男女の平均寿命からして、父が先に逝くのだろうなと漠然と思っていた。

うちの両親の関係は「普通」だ。日本的な男尊女卑の考え方が当たり前のように根付き、母は基本的に父を優先、母がパートタイムの仕事をしていても家事・育児は全て母だった。時々軽いノリで嫌みを言うことはあるが父に対して文句はあまり言わず、家庭内で問題があっても父と話し合うこともせず、母がひたすら我慢してきていた。

しかし母の我慢も続くはずはなく、家事・育児・仕事の負担に耐えきれなかった母の愚痴や不満は、父ではなくすべて子供(特に私)に向かい、私は辛い生活を送ることとなったので、そんな両親の関係や生き方に辟易している。おかげで日本に住んでいた頃は、家庭を持つことには不幸になるイメージしかなく、絶対に結婚や子どもを持つことはしないと心に決めていたほどだった。

我慢して我慢して…と過ごしてきた母。

日本では我慢が美徳と考えられることも多いので、彼女にとっては普通のことだったのかもしれないが、結局我慢できずに子供を傷つけた。我慢などせずに、なぜ助けを求めたり父と真剣に話して状況を改善したりしなかったのだろう、と大人になってから思う。これは日本の家父長制度の影響もあって、女性も働いていても家事育児は女性がするのが当然・我慢するのが当然だといった価値観が染みついていたからだろうが、これでは辛くて当然だろう。

一方で、仕事だけしていればよかった父。

定年退職後の今でも当然のように家事は全て母がこなしており、父は好きなことを好きなタイミングでできる夢のような生活だ。父優先で、母の奴隷状態は子育てが終わっても続く。苦労してきた母は老後にゆったりすることもあまりできずに病気になったのに、明らかに母より負担は少なく生きてきた父はならなかった。

母の方が長生きして、父のお世話から解放された数年間を楽しめればいいと漠然と思っていたので、母の病気の知らせで私は複雑な心境になった。我慢に我慢を重ねてきて、これかあ…って。私は父も母も好きではないし未だに根に持っていることも多いけれど、母の立場は不憫だったとは思う。だからと言って子供を虐待していいことはならないけど。

もし母に介護が必要になったときは、父がやるべきだと思った。…っていうかお前がやれよ。

家事ができないからとかいって逃げるなよ、と口走ってしまいそうだ。とにかく今まで母が父に献身的に生きてきた分、今度は父が母に返す番だろうと私は考えている。

しかし、ここで予想外のお知らせがもう一件きた。

母の病気の知らせとともに、実家を二世帯住宅にリフォームして弟夫婦が両親と同居する計画を立てているそうだ。本気ですか?いや…正気ですか?と疑いたくなるほど驚いた。

私は両親との同居は絶対に無理なので、前向きに考える弟夫婦は凄いな…と思いつつ、そう簡単にはいかないだろうと思っている。親の価値観は昔から変わってないのだから、家庭内では女性が苦労することは目に見えている。私はその負の連鎖を断つために必死なのに、君たちは自分から飛び込んでしまうのかい?と。

君たち、うちの親が私たち姉弟にどんな影響を与えてきたか、知らないのかい?たぶん弟の感じる生きずらさは親の影響もあるはずなのに、君は気が付いてないのかな?…まあ、優遇された側の弟と私の見える景色は違うから仕方ないだろうけど。

弟夫婦からすれば、まず住居費が浮くし家事は母にやってもらえる、子供の面倒も見てもらえるので共働きを継続できる、それでできたお金は子供の養育費に充てられるのでありがたい、そうだ。まあその通りだろう。

両親からすれば可愛い孫の側にいられるし、自分たちの老後(介護)の心配をしなくて済む、といったところかもしれない。また、自分たちで支払うはずだった家のリフォーム代や生活にかかるお金は、弟夫婦に負担してもらえるかもしれない。孫がいれば、老夫婦二人の暇で刺激のない生活ともサヨナラだ。

しかし、親が病気になったら、介護が必要になったらどうする?リフォーム代や毎月の固定費などはどうする?家事の分担はどうする?といった話し合いが真剣に行われているとは思えない。真剣に行ったら、上記のようなメリットだけでなくデメリットの話も出てくるはずだが、それは話題に上がらないようだ。

弟夫婦は家事・育児は両親に任せて働くらしいが、家事・孫の育児がまともにできるのは母のみで父は戦力外。高齢の母にやらせるつもりだろうか。母の奴隷生活は続くなあ…というのが私の感想だ。しかも戦力になるはずの母に病気が見つかったので、家事・育児の負担は弟夫婦にもいく上に、父の面倒まで見なければならなくなる。それを負担するのは義妹だろう。弟は家事を一切やらずに育ったので、一人暮らし中も母が部屋の掃除をしに行っていたほどで、まともにできるとは思えない。

こういった同居の件は本人たちが決めることで、私が口を出すことではないのは分かっている。角が立つのも嫌なので、私の考えは正直には言わない。

ただ、同居が決まったら父はラッキーだろうなと思う。

今までは母を奴隷のように扱い、母が病気になれば今度は自分の息子とその嫁に母のことも自分のことも面倒をみてもらえる。お父さんは面倒ごと一切やらずに楽でいいよね、と皮肉の一つでも言ってやりたい。

私の複雑な気持ちはここにある。

弟夫婦は上手く両親とやっていくかもしれないし、父もさすがにやらないとマズいと考えて家事や孫の育児、病気の母のサポートなどをするようになるかもしれない。…が、今まで全く家事や育児などをしたこともなく、無意識でもこれは自分の仕事ではない・女性がやればいいと思っていることを、今さら父がやるようになるとは到底思えないのだ。そんな父がいる環境で育った弟も、どうだろうか。

結局、母と義妹が苦労しそう、というのが私の予想である。

母は病気でもなるべく家事をやろうとするだろう。身に沁みついた自己犠牲の精神と我慢で。

私には関係のないことだし、弟夫婦が両親を見てくれるのだからありがたい、と思えばいいのだろうが、私ならこんなリスキーな選択はしないなと思う。親不孝だと言われようと何だろうと、自分の家族を守るために親とは距離を置きたい。

弟は良い奴だし、「嫁」の立場(そもそも日本に根付くの「嫁」の立場という考え方自体が嫌い)である義妹に嫌な思いはしてほしくないのだが、私が首を突っ込むところではないと言い聞かせている。

もしかしたら私と違い、弟夫婦は両親がもっている「普通の」日本的な価値観に近いのかもしれないので、我慢が美徳!我慢して当たり前の精神の持ち主なのかもしれない。そう思うしかないだろう。

弟が自分の家族を気にかけるようになったのは、義妹の影響が強かった。弟は私と違い長男として優遇された立場で育ち、義妹は仲の良い自分の家族しか知らないのだろうし、私が味わってきたような機能不全家族の実態は知らないので私の思いは複雑だ。

母の病気は心配ではあるが、とりあえず私の思いとしては…父が母の面倒をみろ、家事もてめえがやれ、というところだろうか。

私の夫が妊娠中でもサポートしてくれて、家事は自分できるし育児もして当然という考えを持っている。仕事はリタイア済みの義父も、小さい孫二人を一人で預かったり家事もやる人なので、一応は日本の「普通」ともいえる父がただのクズに見えて仕方がない。

クズに見える…のではなく、実際にクズだと思う。本人には言わないが。

密かに私が良かったと思うことと言えば、母が先に病気になったことで父の介護を母がしなくて済みそうだ、ということだろうか。先に父が要介護になり何年も母が面倒を見る、となったら母の我慢人生辛すぎるだろ…と思っていたからだ。

父には母の面倒全て見て、是非家事や介護などに追われ、自分中心・自分のペースでは生活できないことを体験してみていただきたい。

必死に英語を学んで運よく国際結婚し、リスクを取ってイギリスに移住した私の最大のメリットは、親の面倒を一切見ずに済むことである。相続も大してないだろうし、いらない。

日本にいないしサポートは物理的に無理。女・女・男の姉弟で差別されて育ってきたのだから、次女ゆえに一番資源を投入してもらえなかった私に、親の面倒を見てなんて言わないよね?これだけ差別しておいて、介護は平等のわけないよね?と考えているので、我関せずで眺めていようと思う。

こういった問題は家族だからこそ厄介なことになる。自分の家族なのに薄情だと言われようと、面倒ごとには首を突っ込まないのが一番だ。