結婚してから自分の家族・家庭環境がおかしかったことに気が付く

先日、珍しく弟から電話のお誘いがあった。

家族や友人とはLINEなどを利用してメッセージのやり取りはするが、時差もあるので会話はしないことが多い。日本語で会話するのが久しぶりで、何だか新鮮だった。

自分の周りの環境が変わったり、関わる人が変わると自分も変化していくことが多いが、結婚してパートナーの家族と関わることも大きな影響があると思う。私も弟も結婚して変わった。パートナー側の家族関係を見て、それに触れて、自分たちが育った環境・自分たちが属していた家族がどんなものだったかに気が付く。

私たちが育った家庭環境はドライすぎだったというのが、弟との一致した意見だ。

私の家族関係は本音を言える仲ではない。私が家族に本気で相談することは殆どない。それは私の生まれ育った家庭は、親に相談できるような環境ではなかったからだった。

私は子供の頃、学校に行きたくないとか、友人関係で悩んでいるとか、進路をどうしたらいいのか分からないとか、親に悩みを相談できなかった。…かといって親は無関心だったのかというと、それもちょっと違う気がする。親は自分のことで精一杯で子どもを気にかける余裕がなく、子どもには衣食住を提供し、とりあえず学校に行かせておけばOK、みたいな感覚でいたのだと思う。

仕事・家事に追われる親はピリピリしていて、思い通りにならない自分の生活への不満を子供たちに当たり散らしていたので、親が子供をサポートするのではなく、親が子供の助けを求めていた。

母は毎日のようにお金がないと言い、うちにはお金がないから友達と遊びに行くな、バイトして学校の定期代は自分で負担して欲しい、携帯代は自分で払え、学費はかけるなと私に言い続けた。大人になってから、当時の母が高価な化粧品や装飾品・服・バックを家族に内緒で購入していたり、父には内緒で必死に老後の為の貯金をしていたことを知ったとき、結局自分だけ良けれはいい人だったのかと幻滅した。お金がないから私には機会がなく、色んな経験を諦めたのに。

そんな環境だったので、精神的に必要だった親からのサポートは一切得られなかった。

弟も進路の相談とかはできなかった、基本的に放置だったよね、と言っているので恐らく私と同じような感じで、親には悩みを相談できなかったのだろう。姉弟そろって社会人になってから鬱気味だったり、引きこもり気味だったりする期間が少なからずあったので、恐らく姉も同じような感じだったのではないだろうか。姉は小学生にして、一人で自転車で片道30分くらいかけてピアノを習いに通っていたのはよく覚えている。大人になった今考えると危ないことだと思うが、こういった事にも親の助けは無く、自力でやるように言われていた。

その一方で、家での手伝いや、寝る時間・食事の時間などの生活リズム、食事内容など普段の生活に関わることは、気持ちが悪いくらいに過干渉だった。

私は小さなころから様々なアレルギーやアトピー持ちだが、症状がでたり悪化すると私の生活習慣が悪いと決めつけられ、言葉で攻められ続けた。親がすることと言えば時々病院に連れていきステロイド剤をもらうだけだったが、それも小学生までであとは自分でどうにかしろ、という感じだった。この悩みを解消するために調べるなどといった事は一切なく、「お前が悪い」で終わり。

母が監視する中、体が受け付けないものを何度も吐きそうになりながら食べた記憶は、鮮明に残っている。

学校のことや友人のことなどの悩みを相談しても、こちらが嫌な気持ちになることを言われるだけで何の助けにもならない。それが分かっていたから自然に何も相談しなくなっていった。姉と弟はどうか知らないが、私に親への信頼はない。

そんな家庭環境で育った私や弟からすると、私たちのパートナーの家庭環境は温かく、本当はこういった関係が欲しかったのだと気が付くきっかけになった。余計な干渉はしないけれど、信頼してサポートしてくれる親がいるパートナーが少し羨ましくなる。

また、精神的な面もそうだけれど、プレゼントや一緒に過ごす時間などの行動で示すというのも大切なのだと気が付いた。

誕生日やクリスマスのプレゼントは小学生の頃に自然になくなり、家族間で誰かを祝う機会は殆どなかったし、家族旅行も弟が幼稚園の時を最後に行かなくなったので、そういった家族の楽しい思い出が少ない。両親自身が結婚記念日なども特に祝っている感じはなかったし、そういった行事を大切にするような家庭ではなかったので、父の日や母の日もスルーしていた。弟がその話を義妹にすると、信じられないと言われるそうだ。弟は私に確認してやっぱりそうだったよね、と確信が持てたらしい。

私はそれが普通だったから結婚するまでずっと、誕生日とかどうでもいいと思っていたし、家族で旅行に行こうという発想すら出なかった。社会人になって実家から出て距離を置くようになってから、父の日・母の日に花を贈るくらいはやってみたが、それは「親には感謝すべき」という義務感と後ろめたさがあったからだということに気が付き、気持ち悪くなって止めた。

誕生日を祝ってもらえたり、旅行に誘ってもらえたり・実際に旅行に行ったりして楽しい時間を共有する、ということをやってこなかった。子供の頃に親から与えられなかった。もし何か与えられるとしたら親からは見返りを求められるのが普通だったので、私は義両親やその家族から与えられるその好意を、素直にありがたく受け取るということができない。

でも今は、夫と夫の家族を通してそれを学んでいる。誕生日はイギリスの文化でもあるカードを必ず送るし、プレゼントも用意する。結婚記念日や父の日・母の日、クリスマスなど、これもみんなで祝い合う。

なぜこの習慣が続くのかと考えた時に思ったのは、お互いを気にかけているからだと気が付いた。会う時間を作り、お互いにカードやプレゼントを送ったりするのが一方通行ではないから続くのだろう。

私の両親は私や弟が小さい頃に、プレゼントをあげたり時間を作って祝ったりということをしなくなった。与えないから返ってこないし、与えても返ってこなかったから続かない。相談してもまともな反応がないから相談しなくなる。相手の為に時間を使わない。そしてそれが普通になると、私が育ったようなドライな家族が出来上がる。

私は自分の両親が変わるとは思えない。だから私は結婚してから、更に親と距離をおこうと考え、実行している。

その一方で私の弟は、義妹の影響もあり実の両親や家族を大切にしよう、距離を詰めようと努力している。

子供の頃に得られなかった家族との体験、築いてこなかった良好な関係を大人になってからでも手に入れたい、何とかしたい、という気持ちは痛いほど分かる。でも、たぶん私たちの親は私たち子どもの気持ちには気が付かないし、そう簡単には変わらない。

どちらが正しいとかはなく、お互いに好きにすればいいと思っているので、距離を詰めようとする弟に付き合う気は無い。私は両親と関わると不幸になると思っているので、弟がその不幸に巻き込まれないことを願うのみだ。

結婚は、別の視点で自分が生まれ育った環境や家族関係を見られるようになり、それを見直すいい機会になる。良い家族関係の築いているパートナーとの結婚は、私と弟にいろんな気づきを与えてくれた。

因みに姉は義両親や義兄の家族の方に問題があるらしく、自分の両親・家族の方がマシらしい。確かに、関係が深いけれど仲が悪いという厄介な家族に比べれば、ドライな関係の家族の方がマシなのだろう。ご愁傷さまとしか言えない。

これから自分たちの家族がどうなるかは分からないけれど、一番大切なのは夫と子供なので、彼らだけはしっかり守っていきたいと思う。