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コロナのせいでNHS歯科治療(妊婦は無料)が受けられない

コロナのせいでNHS歯科治療(妊婦は無料)が受けられない

コロナウイルスのパンデミック中に妊娠し、イギリスのNHSを利用して思うことは、妊娠・出産へのケアは充実していてありがたいということだった。

無料で検診が受けられるし、どんな出産方法でも追加料金などはかからないので、帝王切開になっても無痛分娩でもお金の心配をせずにできる。エコー検査の回数は少ないしmidwifeの妊婦検診も頻繁にあるわけではないので、大きな問題がなければあっさりしたものになるが、必要な医療はきっちり受けられる。

私は先日、残念ながら妊娠糖尿病だと診断されたが、それから2週間に一度のスキャン(エコー検査)と妊娠糖尿病の経過観察をするチームとのやり取りが追加され、自分で血糖値のコントロールをするのに必要な自己血糖測定器が支給されたが、全て無料だった。面倒な血糖値のコントロールが必要な生活に加えて、それに必要な費用まで払うとなったらストレスになっただろうが、血糖測定に必要な消耗品も無料で支給されるので心配ない。

普段イギリスで働いていればNHSへ保険料は払うことになるし、そうでなくてもビザ申請の際に少なくない金額の保険料は払っているが、それでもお金の心配をせずに医療が受けられるのはありがたいと思う。この妊娠・出産だけで元は取っただろう 笑

ただ、妊娠などの「待ったなし」のものとは違い、通常の医療の場合は結構大変なのかもしれない。

パンデミックになってからは、感染者が多かったせいで通常通りの治療が受けられず、進行性があり早めの治療が必要な癌などの手術でさえも先送りになっているし、NHSの歯科医療に関しては2~3年待ちだというニュースにもなっていた。

イギリスで妊娠すると、妊娠して証明書が発行されてから産後1年まではNHSの歯科治療が無料で受けられる。

しかし、私の通える範囲の歯科医院ではNHSの歯科治療の予約は殆ど受け付けておらず、ほぼプライベート診療のみの案内になっている。私もできれば利用したかったが、こういった状態で予約さえ受け付けていない状態なので、歯科検診・治療が受けたければ結局はプライベート診療で診てもらうしかなかった。

前回の治療が全て終わった後、6か月後に定期検診の予約を入れていたので、妊娠後期に入る時期ではあったがその予約のまま受診してきた。レントゲンでの検査は無しで£39だったので、良心的な価格で安心した。イギリスの歯科治療は高額なので、行くたびにいくらかかるか冷や冷やする。

高額なプライベート診療にかかれない経済状況の人にとって、コロナの影響があるとはいえ歯科治療が2~3年先になるのは辛い。そんなに待てないんですけど…と、切実に思っている人も少なくないのではないかと思う。進行性のあるものを長い事放置して病状が悪化する可能性はもちろんあるだろうし、痛みなどがある場合は長期間我慢するのも辛い。

イギリスのNHSには良い面もあれば悪い面もあるので、自分の状況によっても評価は変わるだろう。私は今のところ、妊娠とコロナウイルスのワクチン接種くらいしかNHSとの関りはないが、どちらも大きな不満はないし、意外とちゃんとしていて安心して受けられると思っている。

妊娠や出産などの「待ったなし」のことや、最優先で行われていると言ってもいいコロナのワクチン接種についてはNHSの働きは素晴らしいけれど、それ以外の治療やケアなどで大変な思いをしている人は少なくないだろうなと思うと、コロナの影響は恐ろしいと思う。

今現在で2~3年先の治療予約になっているものが、診察してもらえるまでや問題が発覚してから治療が受けられるまでの期間が数日後・数週間後になるのはいつになるだろうか。

どんなに気を付けても病気になることはあるし、何があるかは分からないけれど、コロナが落ち着くまで、落ち着いてから暫くしても、歯を含めた体の健康管理には気を付けないといけないなと思う。