妊娠するにはタイミングが全てと言われる。
年齢が全てと言われることもあるが、年齢は今更どうにかなることではないのでそんなこと言われたら加齢を呪うしかない。妊活に向き合う30代後半の女性は、加齢に関しては身に沁みて分かっている。加齢の呪い方を研究するより、妊娠に適したタイミングを徹底的に調べる方が妊娠に至る確率は上がるだろう。
さて、タイミングを取るのに基準になるのは「排卵日」だが、そこで問題になるのは排卵期のいつが妊娠しやすいのか、自分の排卵日がいつなのか、の2点だ。
加齢によって妊娠しにくくなっている私のような人にとって、そのタイミングはいつなのか?というのは大きな問題だ。今回はその排卵日についてを考えていきたい。
排卵日2日前が一番妊娠しやすいのは本当か?
これに関しては、ネットで検索をかけるとすぐに出てくる。多くの場合は、年齢に関わらず一番妊娠しやすい日は排卵日2日前とされている。
妊娠しやすい日から順に排卵日2日前、排卵日前日、排卵日3日前、排卵日4日前、排卵日、排卵日5日前と言われており、これが年齢別の妊娠率とともにグラフで表され、解説されているものを見かけることが多い。この使われているグラフで、基準日とされている日が排卵日だと思ってしまいがちだが、実はこの基準日は確実に排卵した日ではなく、基礎体温などの記録によって推定された排卵日らしく、そのため「排卵日」ではなく「基準日」といった表現になっている。
それでは正確ではないのではないだろうかと思っていたら、最新の研究で排卵二日前ではなく前日が一番妊娠しやすいといった調査結果も出ているようで、必ずしも排卵日2日前が最も妊娠しやすいとは言えなさそうである。
以上のことから私は、排卵2日前と1日前が特に妊娠しやすい日であると考えることにした。また、排卵日での妊娠では流産する確率が上がるので、流産の確率が上がってくる30代後半の私などは、排卵日は避けた方が良いかもしれない。
排卵日前の性行為で妊娠可能な期間が長いのは、卵子が受精可能な期間と精子が受精可能な期間に大きな差があるからで、受精可能な時間が長い精子に排卵を待ってもらう形が受精しやすいと言われているからだが、その受精可能な期間も専門家によって数時間場合によっては数十時間の差がある。
卵子の受精可能期間で多く言われているのが6時間~12時間~長くて一日、精子は2~3日(48時間~72時間)や長くて5日やそれ以上の場合もあると言われている。恐らく個人差もあることだろうし、正確な数字は出せないのだろう。
私は以前から生理周期は安定していて排卵日の予測がつきやすく、自分が妊娠しやすい年齢であれば排卵日5日前から1日おきとか週に2~3回で自然妊娠をと考えたかもしれないが、もう30代後半で時間がない上に、「妊活」が結構なストレスになることに早々に気が付いたので、成功率を高めてタイミングを取る方が良さそうだ。
妊娠しにくいであろう自分の年齢と、受精するなら卵子にしろ精子にしろ新鮮で元気な状態の方が妊娠する確率は高い気がするので、自分がタイミングを取るのであれば、読んだ書籍の中で多くのエビデンスを元に紹介されていた「卵子は長くて12時間、精子は1日半くらいで考えた方が良い」というのを信じてみることにする。一番成功率が高そうなのは「排卵検査薬を使って排卵日前日に必ず性行為する」という方法だろう。
「必ず」というところがプレッシャーで辛いかもしれないが、妊活期間が長引くよりもマシだと思っている。
「今日必ずしなければならない」って、こんなに楽しくないものはない。楽しくなるように工夫しようとか無理なのだが、せめて夫の目の前に排卵検査薬をかざして催促するのだけは止めておこう。全くロマンチックではなく、配慮に欠けるからだ。
自分の排卵日はいつ?
私の場合、大体27日の月経周期なのだが、生理周期が安定していると言っても±2日は前後することがある。そしてズレるとしたら前になることが多く、遅れることはあまりない。しかし、このちょっとしたズレが排卵日の予測を難しくさせる。
排卵日は生理がくる約14日前と言われているが、これは平均なので14日で予測をすると実際の排卵日とはズレる人も少なくなく、自分が普段いつ排卵しているのかは調べないと分からない。
自分の排卵日を平均値を参考に生理の約14日前だと予測し、自分の実際の排卵日が平均とは1日ずれ、更に自分の生理周期が1~2日ズレてしまえは、自分が予測した排卵日と実際の排卵日は簡単に2~3日ズレてしまう。自分の排卵が平均と全然違う周期だったり、生理周期が2~3日変わったりしただけで、予測とは4日以上ズレてしまうこともありうる。その場合、妊娠する確率は大幅に減るだろう。
生理周期だけではなく、排卵期になるとおりものの変化でも妊娠しやすい時期を自分で把握するには使えるし、基礎体温をチェックすることでも予測はできる。しかし、大体この辺だと予測はできても、確実な排卵日を知ることはできない。
おりものの変化と言うと、排卵期に卵白のような状態になったおりものがすごく伸びる状態になった時が目安と言われるが、そうなったときには排卵が済んでいることもあると言われているし、結局は個人差があるということで正確な排卵日は分からない。
また、基礎体温でチェックというと、高温期に入る前にガクッと低体温になる日があり、そのあたりで排卵と言われているが、これもどのタイミングなのかは個人差があると締めくくられることが多く、後になってみないと正確に排卵日を知ることはできない。知りたいのは排卵後ではなく、排卵前なのだ。
上記のような生理周期、基礎体温、おりものの状態のチェックで大体の排卵日は予測できるので、妊娠しやすい人たちはそれを目安にタイミングを取れば妊娠できる可能性は高いだろう。
しかし、精子は2~3日生きているだろうから大丈夫と思っていても、排卵日はたぶんこの日だから受精しているだろうと思っていても、「たぶん大丈夫」という予測だけで上手く行かないことが続いたら妊活は長期戦になる。
不妊の心配はなく問題なく妊娠できる体であっても、タイミングが合っていなかったら妊娠には至らない。だから、年齢に関わらず体に問題がなくても、タイミングが悪くてなかなか妊娠できない人もいる。タイミングがとれるかどうかは運だとも言えるだろう。
残念ながら私のような30代後半は、運に任せて妊活している時間はない。
ちょっとしたタイミングのズレによって妊娠に繋がるかがかかっていると思うと、やはり排卵日を正確に知りたいと思う。30代後半の私ならなおさら、数時間のズレでも妊娠に至らない可能性が高いと思っているので、排卵日の把握はした方が良い。
排卵検査薬を使う
排卵日を正確に知るには、排卵検査薬を使う。不妊治療を受けておらず、自分でタイミングを取って自然妊娠を望むなら、これしかない。
排卵検査薬は約7%の確率で擬陽性が出ることがあるそうで、確実に排卵を知ることができるとは言えないかもしれないが、排卵日を知るために使用した方が良いと思う。
排卵検査薬の仕組みや使い方は多くのウェブサイトで紹介されており、少し調べればわかるのでここでは触れないが、排卵検査薬が陽性を示してから約12~48時間後(この時間もそれぞれの排卵検査薬によって若干前後する)に排卵が起こるとされている。
時間からして排卵日の前日に陽性になるといった感じなので、これが確認できれば妊娠の可能性が高い排卵日2日前もしくは前日での性行為が可能となる。これを使わない手はないだろう。
使った方が良いと思いつつ、そういえば日本に住んでいた時はあまり一般的ではなかったように感じたので調べたら、結構お値段するのね…。Amazonで見てみたら10~12本入りで2500~3500円くらいか。日本は妊娠検査薬も高いが排卵検査薬も高いのを見ていると、補助するのは不妊治療に助成金だけでなくて、検査薬の価格も抑えた方が良い気がする。妊娠検査薬と排卵検査薬はもっと手ごろな価格で手に入った方が女性は助かると思うが、生理用品も消費税10%だし政治家のおじさん達では変化を起こすのは無理か。
さて、私の住むイギリスでは排卵検査薬もピンキリだ。
日本でも妊娠検査薬でよく知られている「クリアブルー」の排卵検査薬はすごい。結果をモニターで知らせてくれて陽性/陰性が分かりやすい上に、最も妊娠しやすいとされる排卵日2日前と1日前を知らせてくれる排卵検査薬や、妊娠しやすい日を少なくとも4日は知らせてくれる排卵検査薬等がある。こちらの値段は高いと言っても前者が20本入り約£27(約3700円)で、後者は20本入り£50(約6950円)だった(イギリスのAmazonから購入するともっと安く手に入る)。
こういった高性能な排卵検査薬もあれば、20本入りで£3~4(約400~500円くらい)でお手頃価格で手に入るものもあるので気軽に挑戦しやすい。こういった安いものは前述のクリアブルーの検査薬と違い、日本で手に入る排卵検査薬と同じで排卵日の前日を予想する感じにはなるが、精度は悪くないようで私も問題なく使用できた。
排卵日の前日を予測する検査薬でも、一日2~3回検査すれば検査結果で確認する判定ラインの色の濃さの変化で、排卵日の2日前~1日前~当日~排卵後の確認ができる。排卵日前日だけでなく、妊娠の可能性高い日を自分でチェックしたいのであれば、一日に2~3回検査してタイミングを取れば良い。
検査薬が反応しても無排卵だったりすることもあるそうだが、そういった問題は自力で直ぐに分かることでもないので深くは考えない。数か月使用してタイミングを計っても妊娠しなかったら考えればいい事だと思っている。
擬陽性の確率が約7%あるとか、反応しても無排卵の可能性があるといっても、使うメリットは確実に大きい。基礎体温やおりもの、自分の生理周期と照らし合わせての予測ではなく、検査薬を使って排卵日が分かれば、流産の確率が高いとされる排卵日当日の性行為も避けることができる。
妊娠はタイミングが全てとも言われることを考えると、妊娠しにくい年齢であるのであれば尚更、妊娠検査薬の使用はした方が良いと言える。
年齢は無視できないが、妊娠はタイミングが全て
妊娠を望むなら年齢は無視できない要素ではあるけれど、体に決定的な不妊の要素がない限り、タイミングが全てだ。
卵子や精子の受精可能期間は個人差があるだろうし、1日や場合によっては数時間の差が妊娠に繋がるかどうかの確率を大きく変えてしまう。加齢で妊娠しにくい場合は特に、若い人より妊娠に至る確率は下がるのでタイミングは重要だ。
上の段落で紹介した「最新の研究で、排卵二日前ではなく前日が一番妊娠しやすいといった調査結果も出ている」「卵子は長くて12時間、精子は1日半くらいで考えた方が良い」ということから、排卵検査薬を使って排卵日を特定し排卵日の2日前や前日に必ず性行為をするという、当たり前ともオーソドックスともいえる方法でタイミングを取るのがベストだと考えている。
妊活が上手く行かない人の中には、排卵検査薬を使っていない人が意外と多い。なかなか妊娠しなくてさあ…と言いつつ、自己流もしくはアプリの排卵予測で上手く行かないまま、数か月の時間が過ぎていく。非常に勿体ない。
妊娠はタイミングが全てなので、自力での難しい排卵日予測はほどほどに、排卵検査薬という便利な道具を使おう。お店に行かなくてもAmazonで簡単に買えるのだから。
因みに、このページのアイキャッチ画像になっているのは、私が撮ったイギリスで安く買える排卵検査薬と妊娠検査薬の写真だ。すごくコスパが良いので、使いたい放題使っている。傍から見れば、なんでそんなに使うの?というツッコミを入れたくなるほど無駄に消費もしているだろうが、使っているうちにいろいろと気が付くことがあるので、無駄にはならない…と信じている。
私の家のトイレにある小さなごみ箱は、私が浪費した排卵検査薬と妊娠検査薬のごみでいっぱいになっている。時々悲しくなるので直視できない。