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美容院の施術 ヘアカラーの種類を説明

美容院の施術 ヘアカラーの種類を説明

ここでは、ヘアカラーの種類について解説します。

現在、髪を染めるのによく使われているのは主に、ヘアカラー、ヘアマニキュア、ヘナです。

ヘアカラー

まず、ヘアカラーはグレイカラー(白髪染め)とファッションカラー(おしゃれ染め)に分けられます。二つの違いは、簡単に言うと白髪が染まるか?染まらないか?の違いだけです。

ヘアカラーで染まる仕組みは、髪の色素を抜いて(地毛を明るくして)それと同時に色味を入れることで色が変わります。退色して色味が変化したり、いくらか明るくなったりはしますが、髪の内部まで染まるので一度染めたところは染まったままです。

元の髪の状態にもよりますが、ヘアカラーであれば基本的には髪色を明るくも暗くも出来ますので、よく使われる染色方法です。

注意点としては、体質によってはヘアカラーでアレルギー反応が出てしまい、薬剤が頭皮に沁みたり皮膚がかぶれてしまう方がいる、ということでしょうか。

初めから体質に合わなかったというケースだけでなく、ずっとヘアカラーで染めてきた方でも、花粉症などのようにある時から急に体質に合わなくなり、アレルギー症状が出てしまうこともあります。

一度アレルギー症状が出てしまうと、カラー剤がしみたり、皮膚が赤くなったり、かぶれたり…ということ無しにヘアカラーが出来ることは、まず無いです

その時の体調や使った薬の刺激が強い・弱い等によって、そのアレルギー症状が軽い時もあれば重く出てしまうときもある、というように症状に差が出る感じになります。

それでもヘアカラーで染めたい方は、根元からしっかりは染められなくなりますが、地肌につかないように薬剤を塗布してもらうことも可能です。また、カラー剤に混ぜるタイプで皮膚に沁みにくくするようなケア用品もあるので、利用する美容院でそういったものの用意があるか、聞いてみるといいでしょう。

白髪染めについて

白髪があるかないかで見た目の年齢がかなり変わる、と感じる人が多いようです。白髪染めが必要になり一度染め始めると、多くの人は少し伸びるたびに生え際が気になるので、2か月ぐらいに一度は白髪染めをする、というパターンになる傾向があります。

この白髪染めについてですが、普通のカラー剤と何が違うのかというと、白髪染めは白髪をしっかり染める為にファッションカラーよりも染料が多く入っています。

基本的には白髪にしっかり色を入れるために、暗めの落ち着いた色で染める事が多いです。

逆に明るい色で染めると白髪に色が入りきらず、ほかの髪色に比べて白髪が明るく浮いて見えてしまいます。白に明るい色を混ぜても、明るく薄めの色は付きますが濃い色にはならないですよね。それと同じで、明るい色だと染料が少ないので、白髪にしっかり色を入れるのは難しいのです。

ただ、その場合は白髪でない元の黒髪も明るく染まるため、白髪と地毛の明度の差は縮まるので白髪が目立たないようにはなります 。

…ということで、白髪を目立たなくするために染める方法は、大きく分けると次の2つです。

しっかり白髪を染めるためにある程度暗めの色で染めるか、少し白髪が浮いても明るめの色で染めて地毛と白髪を馴染ませるか、になります。中途半端な方が白髪が目立ってしまいますので注意しましょう。

そして、白髪染めも薬を使うので髪は傷みます。

髪が生えてくる限り白髪が気になるでしょうから、一度染め始めると必然的に繰り返し染めることになります。

なるべく伸びた分だけ染めていくようにした方が髪に負担がかからないので、ダメージの気になる方はリタッチ(根元の伸びた分だけ染めること)をお勧めします。この場合は毛先が退色しすぎて気になるときだけ、伸びてきたところだけでなく全体的に毛先まで染めればOKです。

白髪染め(黒染め)使用後に髪を明るくするのは困難

よくある要望なのですが、白髪染め(もしくは黒染め)をした髪を明るくしたいという場合、その実現は大変です。

なぜなら、一度白髪染めで暗くした髪は髪を脱色(ブリーチ)しない限り、明るくはできないからです。

しかもブリーチをしてそのままでは色ムラが目立ったり、強力に色素を抜くので明るすぎたり、白髪染めの染料の赤味が残ったりします。つまり、ブリーチしてから更にカラーで色をのせる必要があるので、長時間拘束されますしお金もかかります。

最初に説明した通り、白髪染めはファッションカラーと違い多くの染料が入っているので、普通にヘアカラーをしただけでは一番明るい色を使ったとしても、色を抜く力が不足している為、明るくは出来ないのです。

白髪染めした髪を明るくするには、髪へのダメージを覚悟でブリーチをするか、根元を染めるたびに違和感を感じない程度に少しづつ明るくしていくか、になりますかね。

染めたところは、放っておくと褪色して(色が抜けてきて)少し明るめになってくることはありますので、後者の方がおススメではあります。

何を優先するかにもよりますので、よく考えて決めましょう。

家で出来る白髪染めについて

市販のカラー剤(ホームカラー)で白髪染めをする場合、どうしても毎回毛先まで染めることになってしまうと思います。

そういった形で毎回自分で白髪染めをしていると、白髪染めの場合は染料が多いせいか毛先だけどんどん暗い色になっていくので、綺麗な仕上がりを維持するのは難しくなっていきます。

さて、家でできる白髪染めの中には、「トリートメント成分配合、シャンプー後に付けるだけ」といった商品をテレビやネットで見かけます。

今は製品の改良で少しは良くなっているかもしれませんが、私が美容師として働いていた頃は、黒を選択するとなぜか濃い青色に染まってしまった人もいましたし、染まりが悪い・色持ちが悪いとかいったことを聞きました。

もちろん、中にはそういった商品を使ってもある程度綺麗な髪の方もいます。

カラー剤と違って、髪の色素を抜いているわけではないからでしょう。色をのせるという、ヘアマニキュアに近い感じでしょうね。

不思議なのは、あれ(トリートメントカラー??というもの)を使っている方は、たまにパーマのかかりが予想外の感じになる事でした。薬を使った施術で、予想外の薬の効きになることが多かったのです。

ちょっと怖いので、私は市販の普通のホームカラーをしてある髪も嫌いだったのですが、この自宅で出来るトリートメントカラーを使っている髪に対しても慎重に施術をしていました。

ただ、肌が弱くて普通のカラー剤だとかぶれてしまうからといった理由で愛用している方もいますので、やはりあった方が便利だし良いのでしょう。

ファッションカラーについて

次に、ファッションカラーについてですが、基本的には髪をいろんな明るさ・色に染めることが出来ます。ヘアカラーは髪の色を抜くのと同時に、色味も入れていくからです。

まず、色を抜くことによって地毛の明るさが変化します。髪は明るさの変化によって黒~茶色ベースに赤味~オレンジ~黄色と、地毛の色が変化していきます。

その上から色味が入る感じになりますので、この赤・オレンジ・黄色以外の色は入れても分かりにくいです。普通にヘアカラーをすると、黒から茶色になった地毛に対して色味をのせるので、茶色に薄ら赤みとか茶色に薄らピンク・・・といった感じになります。

そして褪色して色味が抜けると、カラー剤によって明るさの変化した地毛の色になります。

特に、地毛が元々持っている色味の反対色である緑・青・紫の色味は、染めても色味が分かりにくいし色が抜けやすいです。青はアッシュ系ってことで寒色系の代名詞的な感じはあり、よく使っていましたが。

人それぞれ赤みが強かったり黄味が強かったりするので、そういった地毛の特徴を生かして染めれば綺麗に・持続性もよくヘアカラーが楽しめるでしょう。

ヘアカラーのみで色味を綺麗に入れたいなら、地毛に出ている色味に近い色で染めると持ちがよく、綺麗に染まります。

比較的色味が分かりやすいのは8・9レベルくらいの明るくもなく・暗くもなく…の明るさなので、ヘアカラーのみで色味をなるべく見せたいのであれば、明るさを8・9レベルに設定することをお勧めします。

また、ヘアカラーをするときの基本的な考え方として言えることとしては、髪色を明るくしたい場合、当然色味は薄くなるということです。

理由としては、色味を強く入れたら必然的にそのぶん明るさが暗くなってしまうからです。

また、同じ明るさに設定しても色が違えばもちろん明るさも違って見えます。例えば、黄色は色味の中で一番明るく見えますし、逆に紫は一番暗く見えます。

ヘアカラーは上記のような仕組みなので、普通にヘアカラーをしただけでは強く色味が出せなかったりします。もし強く色味を出したいなら、ブリーチしてからヘアカラーかヘアマニキュアで色をかぶせないと無理です。

ここで、黒染めについても触れておきましょう。

黒染めは白髪染めと同じで、一度黒染めをしたら、ブリーチをしないと明るくはできません。黒くするために髪に染料をガッツリ入れているからです

また、たとえブリーチをしてもどこまで明るく出来るかわかりませんし、ムラになることが多いので綺麗に仕上げるのは難しいです。

そして、ブリーチしても黒染めで使用した染料(赤味)は髪に必ずと言っていいほど残りますので、好きな色味に染めることもできません。これは美容師の腕だけではどうにもなりません。

こちらも理論的に無理なので、それを可能にしてくれる薬が出るのを待つしかないですね。

ブリーチも縮毛矯正と同じく、髪がとても傷みますので繰り返し何度も出来ません。気を付けましょう。

ファッションカラーの色味について

ヘアカラーでも色を扱うことに変わりはないので、いろんな色の絵の具を混ぜるとどうなるかを想像してみてください。

例えば…赤+青=紫

青+黄色=緑   …等ですね。


カラー剤もいろんな色がありますから、その色の薬を切らしたりしていない限り、上記のような色の特性を利用してわざわざ色味を作ることはあまりありません。では、どういった時に色味について考えるかというと、特定の色味を消したいとき等に補色として使います。

消したい色の反対色(補色といいます)を加えて、お互いの色を打ち消すのです。

反対色を混ぜると色の鮮やかさが無くなって色が濁り、茶色っぽくなりますよね。 さらにいろんな色を混ぜるとどんどん濁っていくので、こげ茶から黒へと近づいていきます。

この色の反応を利用して、色味を消します。

具体的には
黄色・紫
オレンジ・青(ヘアカラーだとアッシュ系)
赤・緑(マット系)

…がそれぞれの反対色です。

美容院でカラーをやってもらうなら美容師が求める色に合わせて薬を調合してくれますが、自分で染めるなら上記の反対色を選びましょう。

ただ、セルフカラーでやりたい色がある場合は、今出ている色味+やりたい色=仕上がりになるので、なかなか思いどおりの色味は出ないと思ってください。


ヘアマニキュア

まず、ヘアマニキュアは髪を明るくする力はないため、白髪やヘアカラーなどで明るくした髪にだけ色がつくような感じになります。その為、やろうと思えば赤や青・緑などの原色にも出来ます。髪色に個性を出したり、ファッション性を楽しみたい場合に効果的です。

ただ、ヘアマニキュアは髪の表面だけに色を付けるので持続性は良くなく、約4週間ほどで色が落ちてしまいます。

ヘアカラーと違い髪の内部までは染まりませんし、髪を明るくする力はないので色をのせる(暗くする)事しか出来ません。しかし、そのぶん髪には優しいので、綺麗に色を出したい方や頭皮が心配だったり髪のダメージを気にされる方にはおススメです。ヘアマニキュアは皮膚につくとなかなか落ちないので皮膚につかないように塗りますし、ヘアカラーのようにかぶれることはないので、肌の弱い方でも安心して染められます。

ヘアマニキュアは髪を明るくすることが出来ないので白髪を染める為によく使われますが、ブリーチした後の髪に鮮やかな色をのせたいときなどにも使われます。

若い人のファッション性以外でも、たま~に紫の髪色したおばあちゃんとかいますが、あれは綺麗に色が出ていいですよね。私もいつか真っ白の髪になって、一度でいいからド派手にしてみたい…。

このヘアマニキュアの注意点としては、髪の表面にコーティングするような感じで髪を染めるので、ヘアマニキュア後にヘアカラーをしても染まりません。ヘアマニキュアのコーティングが邪魔になってヘアカラーの薬剤が髪内部に浸透しないので、薬剤の効果が得られないのです。

もしヘアマニキュア後にヘアカラーをしたいなら、表面のヘアマニキュアが自然に落ちてから(約4週間ほど経ってから)ヘアカラーをしましょう。

そしてパーマをかける場合も、もちろん髪の表面についたヘアマニキュアによって薬の浸透を邪魔されますので、パーマも少しかかりにくくなります。さらに、パーマ液によってヘアマニキュアの色が落ちてしまいますので、同時にやるときはヘアマニキュアが必ず後になります。

また、ヘアマニキュアは髪の表面にコーティングされるような感じだと書きましたが、ヘアマニキュアが落ちてくると人によっては髪がパサパサ・ボッサボサになってしまい、見た感じは綺麗じゃないことも多いです。

ヘアマニキュアの仕上がり・持続性が良いものに感じられないのは、おそらくヘアカラ―の薬剤は改良が進み、見た目や手触りをよくし、更にそれを持続させるような成分が配合されているから、そう感じるのかもしれません。

白髪を染めるために施術する人の中には、ヘアカラーだと傷むからヘアマニキュアにするという方もけっこういますが、痛みを気にするならヘナの方がお勧めです。

上記の理由やヘアカラーやヘナの方が綺麗に染まるし持ちもいい、しっかり根元から染められる(ヘアマニキュアは頭皮についたらなかなか落ちないので、頭皮につかないように根元を少し開けて染める)ので、白髪を染めるための場合は私はあまりヘアマニキュアはお勧めしません。

その中でも、パーマはかけないという方で、髪質によってはヘアマニキュアで綺麗な髪を保っている人もいますから、一概には言えませんが。

因みにこのヘアマニキュア、皮膚や服などにつくと落ちないので、美容師はもちろんお客さんも施術の際は気を付けましょう。

ヘナ

化学物質を避けたい、髪には負担をかけず出来るだけ自然なもので白髪を染めたい場合に使われるのが、ヘナです。

ヘナは…草です。ヘアマニキュアと同じく、髪に色をのせるだけなので髪を明るくする力はありませんが、植物(草)で染めるので髪には優しいです。

ヘナ100%の場合は、ヘナ独特のオレンジ色に染まります。もちろん自然のものなので毎回同じ色には染まらないため、ヘナ100%で染めるのは要領を得るまでは大変でしょう。自然なものですし毎回同じ色にはならないでしょうから、多かれ少なかれ失敗もありそうです。

ヘナを扱っているほとんどの美容院ではヘナ100%で染めることは少なく、染料を含んだヘナを使っています。こちらの方が扱いやすいですからね。

美容院でヘナといいつつ黒や茶色に染められるのは、ヘナに染料を混ぜているからです。

染料が含まれていると言ってもヘアカラーよりは断然、皮膚に負担は少ないのでご安心を。アトピー・アレルギー体質の私でも問題なく使えたので、ヘアカラーよりは確実に健康にいいでしょう。これからは地毛の黒髪で過ごすと決め、髪を染めるのを止めようと私が最後に使ったのは、このヘナでした。何年前かはとうに忘れましたが 笑

さて、他の面でのヘナの特徴ですが、ヘナで染めている髪はパーマがかかりにくいです。たまに上手くかからなかったりしますから、ドキドキでした。

また、加齢とともに髪が痩せてきてしまって気になるという方は、使っているうち髪にコシが出てきますので、ヘナで染めることをお勧めします。

ヘナで染めると髪がきしむので慣れるまで我慢が必要ですが、トリートメントを使って指通りを良くしたりすれば、あまり問題なく過ごせるので大丈夫です。

そして、ヘナの便利な使い方としておススメなのが、大きなダメージを受けてしまった髪に使うこと。

髪のダメージが酷くて、髪を濡らすとテロテロ・乾かしてもボサボサの方は、髪を染める目的ではなくヘナでハリ・コシを出して傷んだ髪をしっかりさせる目的で、何度かヘナを使ってみることをお勧めします。

また、ヘアマニキュアと違って色が簡単には落ちないのがいいところですね。ただ、多くの美容院では色のバリエーションは少ないことと、ヘナを使用すると髪がきしむ傾向があるので、仕上がりや施術後の手触り等は好みが分かれるかもしれないです。

ヘアカラーのように髪にダメージを与えたくはないし、ヘアマニキュアのように色落ちするのも嫌だけれど、しっかり白髪を染めたいという方にはおススメの方法です。