スーパーウーマンの友人から発せられる強者の言葉

スーパーウーマンの友人から発せられる強者の言葉

16/03/2025

今年に入ってすぐ、友人が仕事でイギリスに来たので、そのついでにロンドンで会ってお喋りをした。

高校時代からの友人で同い年。同じ高校に通っていたのにこうも違うのかと感慨深くなるほど、お互いに全く違う道を歩んでいる。

どちらも若い頃から結婚願望は無く、親との関係に悩みもあったせいか子供も望んでいなかった。それなのにどちらも結婚し、同時期に子供を一人授かっている。全然違う道に進んだにも関わらず、ここだけは同じような変化を遂げていた事に驚きつつも縁を感じる相手である。

この友人との会話で、彼女が言った「子供を産み育てることと仕事はバーターしない」という言葉が、とても印象に残った。

私は家事・子育て・仕事の全てをこなせる能力がないと自負している。家事は嫌いではないし生活に必要なことだから普通にやるとして、それに加えて育児と仕事の両立は無理である。

それらをこなせる体力がないし、全てやろうとしたらどれも中途半端になるのが嫌なのだ。自分の住処は快適に保ちたいし、健康的な生活も送りたいので家事は手を抜きたくない。子育ても親との関係で悩んできたせいか、子どもとの向き合い方には気を付けたいし、子どもの成長を見逃したくない。

それに加えて、仕事?無理無理無理!!働くなら私は仕事に手は抜けないタイプだし、やるなら結果を出さないと楽しくない。しかも30代半ばでイギリスへ移住したので、まずは生活に慣れないと!ということで、子育て中の仕事は諦めたのだ。夫にもそれはハッキリ伝えている。

2人目の子供を望むかについて友人と話していた時、彼女との考え方の違いがハッキリ表れた。

友人は2人目を望んでいるが、友人の夫は望んでいないから妊活ができないらしい。年齢的なリミットもあるし、それは辛いだろうなと思う。

私は「マンパワーやお金には限りがあるから、やりたいことが全部できるわけでもないし、自分のコントロールが及ばない事などもあるから、欲しいもの全ては手に入らない。だからこそ自分が一番欲しいものを全力で取りに行く。」というような事を言ったのだが、その際に返された言葉が上記の「私は子供を産み育てることと仕事はバーターしない」である。

それを聞いて、彼女が強者だから言える言葉だな…と思ったのだった。

子供も欲しいし、子育てもちゃんとやりたいし、仕事も頑張りたい…などは、ごく一部の体力があって子育ては親の協力が得られるという恵まれた環境にある人がやることであって、私には遠い世界だと思っていた。

彼女は、そのごく一部に該当する人なのだ。

今時のスーパーウーマンは凄いわ、私とは全然違う、というのが私の感想である。上記のような理由で私は子どもを産み育てることと仕事はバーターするので、どっちもは無理だと考えているからだ。

…というより、長い目で見ればどちらも手に入れられるかもしれないけれど同時期には無理、である。

夫の価値観を変えるのは容易ではない。もちろん変わる可能性もあるが、これは自分のコントロール外のことだ。年齢的なリミットもあるし、友人の妊活さえできない状況は歯痒いことだろう。

そんな中で「子供を産み育てることと仕事はバーターしない」と言い切れてしまう友人は、今までとても恵まれていたのだと思う。

実際に、子供が赤ちゃんの頃から友人は仕事で出張に行ったりもできている。夫や義母の協力があるからなのだが、それは当たり前の事じゃない。その上で2人目の子供を望むのだから、環境にも体力にも恵まれているのだなと思う。

私にとって彼女の言葉が印象深かったのは、彼女の恵まれた環境と、さらなる希望を叶えようとする力強さが象徴されていたからである。大変そうなので全く羨ましくはないが、今どきのスーパーウーマンって感じで私には眩しすぎた。私との違いを強烈に実感したのであった。

私は自分の限られた時間や能力の中でどう生きていくか、限られた資源で全ては手に入れられないなら何を優先させるのかを、常に考えながら生きてきた。

細々した願いは叶わなかったこともあるかもしれないが、仕事や妊娠・出産・子育てなど大きな労力のかかるもので、何かを諦めた経験がないという彼女は、今までが偶々恵まれていたのだろうと思う。

この違いがある中で10年後、20年後と私達はどのように変化していくのだろう考えると、とても楽しみである。