私は子供の頃、「お金がない」が口癖の母に影響され、やってみたいこと・やったほうが良い事を我慢し、お金をかけない様に生きてきた。
そうやって抑圧されて生きてきたせいか、私は誰かにお金をかけてもらうことが苦手である。夫の同意のもと、私が働かずに家事や育児をする方が私たち家族にとってプラスになるという判断で、今は専業主婦をしているのだが、働いてお金を稼いでいないことに少なからず後ろめたさを感じる。
特に、今年に入って流産かと思いきや胞状奇胎という異常妊娠になり、働かない上に妊娠も上手く行かないなんて、自分はなんて役立たずなのだろうと自分を責めてしまうのだ。そんな時に自分を励ます為に考えることと言えば、「稼ぐ能力」とともに大切な、「なるべくお金をかけずに欲しいものを手に入れ、身の丈に合った生活をする能力」についてである。
今回は、自分を励ますためと自分の身に起こった不幸から思考をそらすために書いている。
目次
お金をかけない生活習慣
お金をかけないよう抑圧されて育ち、貧乏な美容師時代を過ごしてきたせいか、転職し副業でも収入を得られるようになり生活に余裕ができても、無駄遣いはしないように心掛けていた。そうやって専業主婦になる前からお金をなるべくかけずにやりたいことをやり、欲しいものを手に入れるという工夫を続けてきたのである。
現在も何かを買う前には調べて節約し、自炊の為に料理の腕を上げ、今まで培ってきた美容・健康の知識・技術を駆使して美容にもお金はかからない生活をしている。
徹底的に調べて節約する
やりたいこと、欲しいものがあったらよく調べ、自分にとって一番効果的な方法と効果・価格の組み合わせはどれになるだろうか?本当に必要か?欲しいか?役に立つか?など、かなり考えてから動くのが癖になっている。
急ぎでない限りは調べた上で考えてから物を買うので、無駄なものは結局買わないことになるし、購入後に後悔することが少ない。
物だけではなく、経験やスキルもお金をかけずに手に入れられないか調べるので、その結果、英語も日本にいたまま独学でやることになった。お金があればもっと効率的に動けて目標を早く達成できたかもしれないし、もっと高い目標を設定して挑戦することができたかもしれない。でも、道中楽しめて身の程に合った結果が出たので、自分らしくできたと思う。
ほぼ毎日料理、食費は抑えて健康にもいい
ほぼ毎日食事を作って食費を浮かす。イギリスは外食すると味はそこそこでも価格は高いので、外食はあまりしないようにしている。生活に不可欠なものとされる食品は税率が低く抑えられているから安く手に入るので、普段の食事は自分で作った方が安上がりな上に美味しいのである。
日本だったら安くて美味しい食事がいくらでも手に入るので、こうはいかない。イギリスだから自炊した方が安いである。おかげで日本にいた時より料理のレパートリーは格段に増えたし、腕も上がった。
料理が上手になれば、食費を抑えて美味しい食事を楽しむことも出来るし、外食を続けるよりも健康的な食生活が手に入りやすい。健康でいると医療費がかからないので、長い目で見ると大きな節約になる。イギリスで専業主婦をしている私にとって、料理の腕をあげることのメリットは大きい。
お金をかけずに自分に合った美容法を続ける
本業だった美容業界での仕事と、アトピーを完治させる為に取り組んだ健康的な生活のおかげで、数年前から日常的な美容に関する支出は、かなり少なく抑えられるようになった。
普通の女性ならば少なからずかかるであろう基礎化粧品代は、ベビー用のワセリンのみなので1か月1ポンド以下である。クレンジング・洗顔料は使っておらず、顔・体はともにベビーソープだし、化粧水・乳液・美容液・クリームも必要ないのでワセリンのみである。20代の頃に試行錯誤してアトピーと向き合った結果、私の肌にはこれが一番向いていた。
化粧品も色々調べた結果、紫外線の少ない時期は基本的にノーファンデで、使うときは肌に負担の少ないパウダーファンデにしている。ポイントメイクはほぼ毎日するが、全てプチプラのコスメなので化粧品代もあまりかからない。
化粧品の価格は広告費の影響が大きいので、お高い化粧品を買うのは無駄だと思っている。化粧品で価格の影響がもろに出るのはリップの持続性くらいで、その他は大した差はない。肌がもっと強ければいろんな化粧品を試して楽しめたのだろうが、肌が弱い私には無理だったのでこの形に落ち着いた。お金がかからなくて最高だと思っている。
そして、元美容師の私が切るので家族のヘアカット代はかからない。自分のヘアカットも自分でするけれど、日本に帰った時だけ友達にやってもらうくらいである。
生活レベルを上げない
生活レベルを上げなければ、生きていくのに多くのお金は必要ない。多くのお金を稼いでいても、支出が多ければ貧乏である。
大切なのは、自分のストレスにならない程度にできる限り生活レベルを下げておき、安易に生活レベルを上げないことだと考えている。少しでも油断すると直ぐに支出が増えるので、専業主婦になってからは特にお金の使い方には気を付けている。
何か必要なものがある時、基本的には必要な機能を満たしていればOKで、もう少しスペックの高いものが欲しい・好みのデザインのものが欲しいなどの欲があるのであれば、価格を見て要検討である。お金が無いのであれば、余計な機能や装飾は無いものを買うというルールを徹底している。
私は油断するとお菓子やおつまみ等の食べ物を余計に買ってしまうので、お腹が空いているときには買い物に行かない、スーパーマーケットでの買い物の回数を減らす(基本的には週に一度)と決めている。これに関しては散財した挙句に太るという結果もついてくるので、油断は禁物…でも誘惑に負けて買っちゃう時期は定期的にある。
ストレスが散財につながるので注意
私の場合、仕事で体が疲れ精神的にもストレスの多い生活をしていると、頑張ったご褒美もしくは辛い現実から逃れるために、散財したくなってしまう。
多くの場合は、毎日のように仕事帰りに買ったジャンクフードやスイーツをドカ食いし、海外旅行に行きたいと調べ始め、気分が良くなる服が欲しいとネットショッピングに時間を使う、といった行動に出ていた。時期が来たら(我慢の限界が来たら)海外旅行!…である。
もしイギリスでそんな生活を送ったら、まずは外食費が高額になる上に太るだろう。そして子供がいるので簡単に海外旅行に行けないストレスにさらされる。そうして悪いサイクルの入ることは目に見えているのである。
私は体力がないので、働いて家事やって子育てまでしたら、疲れてイライラするわストレス発散の為に散財するわで、幸せに暮らせない上にお金も貯まらない状態になりそうだと思っている。子供が大きくなるまでは外で働かずに余力を残しておいた方が、健康で豊かな生活が送れる可能性が高い。
お金をかけずに生きていくスキルを上げたい
支出が少なければ稼ぐ力があまりなくても生活には困らないし、もし収入が上がればそれはそれで余裕ができるので生活が豊かになる。また、自分にできることを増やすと、お金を払って他人にやってもらう必要が無くなるので支出は少なくなる。
だから、自分にできることを増やしていきたい。
時には自分のスキルを上げるためにお金をかけたほうが良い事もあるかもしれないけれど、お金が無いからこそ工夫しつつ自分のやり方で何かを身に付けるのは、ものすごく楽しい。自分に使える資源が少ないのは不運だったり不幸であることも多いけれど、程よく「何かが足りない」のは知恵を出すためには良い事なのかもしれないと思うようになった。
夫と子供がいて自分のペースでは生活できない、時間があるようでない専業主婦。もっとできることがあるはずと自分自身を追い詰めてしまうのは、仕事をしていない、何も役に立っていないような気がする後ろめたさがあるから。そんなこと感じなくていいと家族が言ってくれても、なかなか難しいけれど、元気がでたらまた動き出そう。
以上、自分の不幸から目をそらし、自分を励ますための文章でした。お疲れ様。