イギリス永住権に必要なB1レベル英語テスト 試験官が最悪だった話

今月の上旬、イギリス永住権に必要なCEFR B1レベルの英語の試験を受けてきたのだが…最悪な試験だったので、ストレス発散も兼ねて記録に残しておく。

受験したのはTrinity CollegeのB1 GESE Grade 5。YouTubeでTrinity Collegeの公式チャンネルにアップされている動画を確認し、公式ページを参考にしつつ試験を無事にパスした人たちの情報もネットで調べた結果、自分の英語力に自信がないし、そもそもああいった会話が苦手なのでテーマに合わせた質問や答えになる文章も作り、ある程度準備してから試験を受けた。

試験の費用に£150もかかるので、当然のことだけれど一度でパス出来るように準備したのに、なぜ私にとって最悪な試験になったのか…。それは試験官との相性が悪かったというか、もう試験官が最悪だったからとしか言いようがない。

Trinity Collegeの試験は、ビザ申請で使えるもう一つの英語テストIELTSと違って他の受験者と会話する必要が無く、試験官と1対1での会話となる。試験官が英語のネイティブスピーカーだから聞き取りやすいし、試験官がこちらが話しやすいように話題を振ってくれたり、試験に必要な文法を使って答えられる質問をしてくれたりと、IELTSよりも優しい試験だから選んだのだった。実際に前回のA2レベルの試験では、上記の特徴そのままで試験は簡単だった。

公式で紹介されているB1レベルの動画を見ても特別難しい質問は無く、受験者が答えやすい自分の経験や趣向などを含めた質問をされているので、そういった試験だと思って準備していた。しかし私の担当になった試験官の質問は、公式の動画にあったようなものではなく知識を問うような質問も多かったし、私が答えた内容で話を広げてくれることもない。

全く笑顔が無く、フレンドリーな感じではない、というのは試験だからしかたないけれど、圧迫面接を受けているような気分だった。初めに名乗った後、How are you today?と聞かれたので、答えてからHow about you?で返したら無視されたので、不穏な雰囲気でスタート。

前半戦、私が選んだトピックは「日本」。5つのトピックポイントは日本食、着物、私の好きな場所(温泉)、アニメ、次に日本に帰ったときにしたいこと…の5つ。

試験官に質問されたトピックポイントは、日本に帰ったらやりたいこと、着物、温泉について。

日本に帰ったらやりたいことを言ったら、「え、でも日本食はイギリスでも食べられるよね?」と言われ、着物については「なんで日本人は昔、着物を着ていたの?」と聞かれ、最後は温泉について「温泉は塩分が高いのか?」「温泉は飲めるの?」しまいには「温泉は肌に良いのか?」という質問をされた。

最初の質問返し、日本食はイギリスでも食べられるよね?って、意地悪すぎない?試験でそんなこと言う必要ある?

着物についても、今は特別な行事やイベントで着られるけれど、自分で着れる人は少ないとか、着物が好きだから自分で着られるように練習したとか言ったんだけど、私の話聞いてた?

最後のトピックポイントは「私の好きな場所 温泉」って、【私の好きな場所】って私言ったよね?聞いてた?なんで温泉の話になるの?

公式の説明で、知識ではなく英語力をみますと言っているけれど、こんな知識を問うような質問ばかりされたら、どうやってチェックされる文法などを含めて自分の趣向や経験を英語で答えたらいいの?

しかもこの試験官、活舌が悪いのか、もごもごしていて聞き取りにくい。ここまでで、「それってどういう意味ですか?」「もう一度言っていただけますか?」と、2回は聞き返した。しかも、この前半戦では私から質問する時間が設けられるはずだったのに、質問させてくれなかった。

会話の中で試験官に質問すればよかったのだろうが、上記のような質問をされてテンパったので、私から試験官に質問する内容なんて思い浮かばないし、会話のテンポも悪くてタイミングがうまくつかめない。

この前半戦で、わたしの心はポッキリ折れたのである。

そして後半戦。

最初の話題はエンターテイメント。「テレビや映画は見る?」と聞かれたので、テレビや映画は時間が無いので見ないけれど、子供と一緒に子供向けの動画は観るし、アニメを観るのも好きと答えた。エンターテイメントについての質問なので、これでも問題ないと思うのだけれどダメだったらしく、「英語の試験なんだからそれに合った答えをしてください」と言われた。

あなたの生活とかどうでもいいから、試験なんだから適当に話しを合わせて英語を話してくれればいいんだよ、みたいな感じ。まあ、それは一理ある。でもね、子供が産まれてから3年間本当に全然観てないものを、適当に観てますって言って、適当に話ができるほど私は器用じゃないんだよ。動画もアニメも、テレビや映画とそう変わらないじゃん。そういうの観るよって言っただけじゃん。

それに、今までのあなたの質問の仕方に問題は無いの?全然会話が噛み合わないんですけど…と、もうこの試験官との相性の悪さにどうしていいか分からなくなる。

そしてエンターテイメントについて、もう私と会話をする気が無いらしく、こちらに何の質問もないまま次の質問「最近見た面白い、興味深い事は何?」。

家事と子育てするだけの日常なので、正直言って特にないです。でも、最近子供が学校に通い始めたので、バイバイと言って私から離れて学校へ行く姿や、先生や友達と楽しそうに過ごす姿を見るのは、娘の成長を感じて私にとってとても興味深い出来事でした。…と答えたら、また不服そうな顔の試験官。たぶん、また話をそらされたとか思っている。

これに対してもなにも聞かれない。そこで思う。お前が会話のキャッチボールをする気が無いんだろうが!!おそらくこの試験官、自分が欲しい答え方というかマニュアル通りの答えをしないと、私の答えから何も拾わない。

ツチノコ見たんですよ~とか言えばよかったのかな?適当に話合わせて。

そして次の質問「日本の祭りは何が好きですか?」日本の夏祭りが好きだと言ってその理由も答えたら、次の質問。

「それはどの神様に対してのお祭りなの?」

そこで思った。あ…、こいつもう無理。これはアレでしょ、あなたのマニュアルにあるお決まりの質問なんでしょ?会話のキャッチボールする気ないでしょ。私の話聞いてなかったでしょ。

とりあえず祭りと言えば神様っしょ!!!とか思ってるのか?このハゲ!!!!もしその対象があるとして、その神様の名前を答えれば満足か?どんな神様か解説しろってか?

ちなみにこの質問には、日本は多神教で神様いっぱいいるからね、地域によっても違うし…などと、まあ知らねーよと思いつつテキトーに答えた。

そして、最後に「祭りについて何か私に質問してください」と言われた。質問は祭り限定。公式の動画で紹介されていた流れでは、後半戦に取り上げられた2つのトピックのうち1つを選んで、試験官に質問することになっていたけどね。

もちろん、ちゃんと準備していたのだから質問は用意して覚えていた。でも私が用意した質問は、神様が関わる祭りじゃないからダメなんでしょ?どうせ祭りの質問だとは認められないんでしょ?…と考えたら、もうどうでもいいやってなった。

この試験官、話す範囲がかなり限定されている。着物と言ったら着物のことだけ、温泉なら温泉のことだけ、エンターテイメントも最近会った面白い出来事も祭りも、対応できる範囲が狭いから会話にならない。これは試験だからってことで、わざとそうしないのかもしれないけど。

久しぶりに強烈にイラついて、私の悪い癖が出た。こいつ嫌い、もうどうでもいいって、自分ではどうしようもないことに対しての怒りから、投げやりになるという癖が。

今まで準備したことは全く役に立たなかったし、こんな試験落ちていい。もう追加で150ポンドかかっても構わないや、と。

試験中に試験官に文句を言っても仕方がない。この試験の映像は記録しているだろうし問題行動は起こせないので、こちらから質問せずに時間が過ぎるのを待った。もうこいつと話したくない。

そして試験官はキレ気味に「じゃ、質問は無しですね。これで終わりです」と強制終了。私は何も言わず大きな溜息を吐きながら退出した。真面目に準備していた時間もお金も無駄になったと、怒りを感じて悔しくて、その日はよく眠れなかった。

トリニティカレッジの試験は、試験官がある程度は受験者が答えやすい様に会話をしてくれる、というイメージがあったのだけれど、今回は全然違った。試験官からの質問は変に知識を問われることが多かったし、私の答えから何かを拾って質問を返すという会話の基本をしてくれないので、全く会話にならない。

日本人相手の日本語でも、相手と話が噛み合わないことはあるから、英語でもそういうことはあり得るとは思うけれど、ビザで使われるような重要な試験なのにこれは無いでしょ。もちろん自分にも至らなかったところはあっただろうし、やはり自分が悪かったのかなとよ~く考えたけれど、今回はどう考えても試験官がハズレだった。

まさかトリニティカレッジの試験で試験官ガチャに外れるとは、予想外だった。他の人と同じく、トリニティカレッジの英語のテストは日常生活を英語で普通に過ごせていれば大丈夫!簡単にパス出来た~とか言ってみたかったわ。

…なんて思っていたのだけれど、結果は…恐ろしいことにパスしていた!!!!!笑

一度も質問していないし、入れるべき文法も入れて答えられず、変な質問にテンパってまともな英語は話してなかっただろうし(なんて言ったか覚えてない)、そもそも試験官との「会話」ができず、苛ついて最後は沈黙して強制終了されたのにパスしていた。

あ、これで胸張って言える。

トリニティカレッジのB1 GESE Grade 5のテストは、質問しなくても、沈黙で強制終了になっても、試験官と会話のキャッチボールができなくてもパスできるから、みんな安心してください。

ここまで書いてようやく怒りが少しは治まってきたけれど、あんなに不快な思いをしたのだから、試験にパス出来たからもういいやとは思えない。

こういう相手に対してやり合うのに、十分な英語力が自分には無い事が悔しい。

変な質問されてテンパっても会話できる英語力、せめて自分が良く知る分野の質問なら、想定外のことを言われても拙い英語ではなく大人が話すのにふさわしい表現で話せるようになりたい。

一応、日常生活は過ごせているし、聞きたいことは聞ける、言いたいこともある程度は言える、相手の言っていることが全然わかりません!!と困ることは殆どない。でも電話のやり取りは避けてしまうし、娘の学校や病院関係、その他何かミスがあったら困ることなど大事なことは、夫を通さないと不安なことも多い。全部自分で対応できるようになりたいし、何よりいつまでも拙い英語を話すのはカッコ悪い。

この一件で、このカッコ悪い自分が強烈に嫌になった。

いいきっかけだと思って、娘がnurseryに通っている2時間半弱の自由時間は、英語学習にあてることにした。珍しく3日坊主にならずに続いているので、拙くない・恥ずかしくない英語が話せるように、ムカつくやつとはやり合えるように頑張ろうと思う。

私の原動力は、いつも怒りなんだよなぁ…。