イギリスでは今日、コロナウイルスの死者は674人確認され、合計で26,771人となった。
先日、病院以外の場所で亡くなった4,000人以上が追加されたので、死者数は今の時点で世界第3位である。やっとピークを越えたようだが、まだ一日の死者数は多いので直ぐにイタリアも超えて世界2位になるかもしれない。死者数の数え方は国によって違うので今は何とも言えず、この数字を比べても意味はないだろうけれど…それにしても多い。
こちらに移住して間もなく、知り合いが少ないせいか実感がわきにくいのだが、ロックダウンで制限された生活が長引いていることもあり、大変なことが起こっているのは身に沁みて分かる。
因みに検査数は現在までに901,905件。感染者数は171,253人(本日6,032人でまだ多い)。入院患者数、ICUの患者数ともに減少している。
以前からイギリスは一日10万件の検査を目標にしており、最新の記録ではやっと一日に81,611件をこなせたようだ。一日の最高検査数はイタリアを抜いたが、イタリアの合計検査数は1,910,761件でイギリスの倍以上検査している。イギリスの方が若干人口が多いこともあり、検査がまだ足りないという認識だ。
この感覚からすると、日本の検査数は少なすぎて異常だと思う。今日確認したイギリスのニュースでは、日本で外国人が検査を中々受けられなかった上に、救急者で運ばれる際には2時間以上病院のたらい回しに合った例とともに、日本の検査数の少なさが紹介されていた。私もこの記事と同じような視点で日本を見ている。
イギリスでは感染のピークは越えてきたこともあり、現在はロックダウンの緩和をどうやって行うか、いつから始めるかの話し合いが慎重に行われている。
R値と呼ばれる、一人の感染者が平均して何人にウイルスを感染させるかを表した数値が、ロックダウン解除の目安と解除以降にも感染のペースをコントロールするために参考にされている。その数値が1より大きい場合、感染が指数関数的に増加する為、1未満を維持しながら経済活動を再開する必要があるようだ。
イギリスはそのR値が現在0.6から0.9の間とされており、3月中は数値が3だったようでロックダウンの効果でようやくこの数値まで下がったそうだ。
一か月以上かけてようやくこの数値になり、ロックダウンしてもこれだけの感染者数と死者数を出していることを考えると、ロックダウンしなければ相当数の死者が出ていただろう。いくら亡くなる方の多くは高齢者だと言っても、コロナウイルスは恐ろしい感染症だと思う。
そして本日の会見で、ようやくボリス首相が戻ってきた。
月曜日に復帰はしていたが、コロナウイルスに感染し入院してからずいぶん経っており、退院後会見に参加したのはこれが初めてである。元気そうで何よりだった。昨日、ボリス首相には男の子が生まれたこともあり、助かって本当に良かったと思う。
会見の内容として、どのようにロックダウンを解除していくかが気になっていたが、まだ詳細を伝えることはできないようだった。しかし、来週には科学的な視点を取り入れた上で、経済をどう動かしていくか、学校や職場などでどう安全に過ごしていくか等の計画が発表されるらしい。
あの感じだと、ロックダウンの解除はかなり慎重に行われるのだろうと思う。これだけの被害がでればそうなるのだろうが、会見では経済への影響を懸念した質問もあり、それに対してはパンデミックへの対応の難しさを述べるにとどまっていた。いや、経済活動に関してもうちょっと情報いただけないかな?とは思ったが、来週まで待つしかない。
私にとってはあまり目新しいことはない会見だったので、ボリス首相の元気な答弁が見れただけだった。
相変わらず医療従事者の防護服が不足しているようで、未だに会見でツッコまれているのを見ると、本当にどうにもならないほど中々手に入らないらしい。
防護服の不足は世界中で起こっていることを考えると、どこの国も中国には頼らないで自国で生産できるようにした方が、長い目で見ると安全だろう。不良品掴まされることも無くなるだろうし。工場作って雇用も生みだせて、医療用品を自国で調達できれば、感染症とともに生きざるおえない世界には合っているはずだ。
何でも輸入すればいい、といったグローバルな考え方はこれから弱まっていくだろう。
グローバル化が進んだせいでコロナウイルスの被害が拡大したと言えるが、旅行好きとしてはグローバル化が良くなかったとは責めきれない。グローバル化が進んでいた世界のおかげで、結果的に国際結婚してイギリスで夫と暮らせていることを考えても、今後の世界が反動で一気に反グローバルな方向に進まないことを願ってしまう。
そこそこ自由に旅行ができるくらいにはしておいて欲しい。早く旅に出たい。
9月に旅行へ行く予定だったが、コロナウイルスの影響で恐らく無理だろう。それでも、もうどこでもいいから早く旅に出たい。
コロナウイルスのせいでメンタルが病んでくるといった事はイギリスの会見でも話題に上がったが、私も少なからずそう感じる。もう、コロナのせいでメンタルが病んでいる、というのを前提にして物事を考えた方が良いのではないかと思っている。
時代が一気に変わるのだから、不安になって当然だ。分かってはいるけど不安で余計なことを考えてしまう。
だから視点を変えて、この不安定な状況だからこそ困った人はいっぱいいるのだから、自分に何ができるかを考えてみようと思う。何かの役に立つチャンスかもしれないのだから。
…まあ、今のところは引きこもっているだけなのだが。