2023.7 諸事情あり、仕方なくブログ名を変更しました
コロナの影響で棚から牡丹餅 

コロナの影響で棚から牡丹餅 

最近、牡丹餅を拾った。

恐らくコロナの影響か、中古着物が閉店セールで安くなっていたので、数着購入。コロナの影響で、店を閉める洋服店や規模を縮小する服飾系の会社は多い。着物も衣服なので、コロナの影響で経済的な不安がある今の状況では打撃を受けているのだろう。

しばらくは着物を買うつもりはなかったが、コロナの影響でいつ日本に帰れるかも分からない、次はいつ着物を買えるかも分からないので、この機会に手に入れることにした。

価値は価格に反映されるものだと思いがちだけれど、中古着物の場合は価格と価値が見合っていないと感じることが多い。元々、中古の着物は安く手に入るものが多いがいつもよりさらに安くなっていて、場合によっては千円台、二千円台で保存状態がよくまだまだ着られそうな着物が手に入ったりする。和裁を学ぼうと思って手にした本も、豊富な情報量からすると価格が安すぎて驚いた。何十年も価格改定されずにいるからかもしれないけれど、私からすると価値と価格があっていないと感じる。

着物を着る機会は少なく普段着として着ている人もごく僅か、自分で着られる人も少ない中で、私たちの親世代がただ所有していた「全く着ない着物」が売られ、こうやって私の手元に来る。普段着にするにはお洒落すぎるとか、気軽に洗えない等、思うところはあるが、絹素材で柄も素敵な美しい着物を着ないのは勿体ない。

こんなに美しく、デザインなども工夫されたお洒落な絹の服が、なぜこんな破格の値段で売られるのだろう?素敵な着物が安く手に入るのはラッキー!と思うのと同時に、この状態が悲しいような虚しいような気持ちにもなる。

どれもサイズはピッタリではないけれど許容範囲。こういった機会がないと買わなかったであろう、と思うものも数点購入した。それによって新たな発見もあって楽しい。

単衣の着物は自分で作れるようにと、ここ数か月で作ってみたが、袷の着物のお洒落さには敵わない。袷の着物は袖口や八掛等の色合わせが面白いし、美しいと思う。着慣れてくると快適に過ごせるし、なぜこんなに素敵な文化を日常から遠ざけてしまったのか、本当にもったいない。

とにかく、中古着物の閉店セールで手に入れた着物や羽織たちは、私にとって棚から牡丹餅だった。コロナがなければ、この価格では手に入らなかっただろう。羽織も一着1000円ほどで数枚購入した。九月に入ってからどんどん寒くなってきたこともあり、毎日活躍してくれている。

…ほかにもあるかな、棚から牡丹餅。拾いに行こう。