イギリス移住でアトピー対策6ーほぼ完治

イギリス移住でアトピー対策6ーほぼ完治

イギリスに移住してしばらく経ってからアトピーの湿疹がでてきてしまい、いろいろと試していたことは以前書いた。

最近になってようやく、ほぼ完治した。痒みに悩まされることも無くなり、アトピーの湿疹もほとんど消えて少しかさつきが残っているくらいだ。ほぼ完治したと言える状態になってきたので、ここにまとめておく。

イギリスに移住してきてから、シャンプー・トリートメント、石けん、シャワーの温度、non-bioの洗濯用洗剤、ワセリン、軟水と硬水の違い…など、日本でアトピーを完治させた経験と考え合わせて対策していた。しかし、それによって一時的に刺激が弱まりアトピーの痒みや湿疹が少し良くなってきても、しばらくすると悪化してきてしまう、といった事の繰り返しだった。

日本の生活ではシャンプー・トリートメントや石鹸、化粧品など、直接肌に触れるものが原因になることが多かった。その経験からか、そういったものに気がとられてしまい気が付かなかったのだろう。8月に入ってから一気によくなっていったのだが、それは私のアトピーの原因に思い当たったからである。

大きな原因は、肌にいいだろうと思っていたnon-bioの洗濯用洗剤であった。

日本で生活していた頃、一応はアトピー対策の為にシャボン玉せっけんの洗剤を使っており、柔軟剤の使用も控えていたが、合成界面活性剤の洗濯用洗剤を使ってもアトピー湿疹や痒みの症状は出なかったし、ほぼ影響は受けていなかった。その為、敏感肌の人でも安心して使用できると思われるnon-bioの洗濯用洗剤を使っていたのである。

「絶対」に近い感覚で「たぶん大丈夫」だと思っていたので気が付かなかった。しかし、義母の一言で「これが原因かも」と思えたのである。

「服が触れている箇所に湿疹ができているから、洗剤と柔軟剤が悪いのよ」

柔軟剤は使っていおらず、湿疹がどんどん広がり、特定の場所ともいえない状況だったので私には分かりにくかったのだが、…その通りだった。non-bioと肌に優しそうな表記であっても、合成界面活性剤であることに変わりはなく、私のアトピーの原因となりうる。

しかし、non-bio表記のもの以外で何が肌に優しいのだろう?いろんな種類のnon-bioの洗濯用洗剤を試してみるか?…根気のいる作業になるだろうと嫌気がさしたが、ふと気が付いた。

soapflakesがあるじゃないか!!

soapklakesは、せっけん素地のみでできており(ingredients : soapという表記だ)pure and simple washingという、アトピーや敏感肌の人には安心して使用できるものだ。日本で愛用していたシャボン玉石けんと同じようなものである。絹の着物を自分で洗うためにと探し、使えるかもと購入したものだった。

既に効果的なものを持っていたのに、使っていなかったという衝撃!!

気が付いてすぐに、肌に触れる服やシーツ、タオル類などをsoapflakesで洗い直し、数日たった段階で直ぐに洗濯用洗剤が原因だったと確信した。痒みと湿疹の炎症がどんどん良くなっていくのが実感できた。

そして現在、一部炎症が酷かったところが少しカサつくくらいで、痒みはなく湿疹も消えた。

なぜnon-bioの洗濯洗剤がアトピーの原因となったのか

それにしてもなぜ、non-bioの洗濯洗剤でアトピー症状が出てしまったのだろうか。

日本では洗濯洗剤で問題を起こしたことはなかったこともあり、考えてみたのだが思いつくことと言えば、軟水・硬水の違い、ドラム式・縦型の洗濯機の違いくらいのものだ。しかし、硬水・軟水の違いについては使用する洗剤の量を調整するか、硬水を軟水に変えるwater softnerを使用すれば問題ないはずで、それは対処済みだった。

それならば、洗濯機の違いだろうか。

そこで気になったのは、ドラム式の洗濯機は日本で使っていた縦型の洗濯機よりも少ない水量で洗濯することができる、ということだった。少ない水量で洗濯…となると、洗いの時は濃い濃度で洗剤が水に含まれていることになりそうだし、すすぎも縦型の洗濯機より甘くなるかもしれない。

もしそうだとすれば、一見綺麗になった洗濯物でも、流しきれない合成界面活性剤が洗濯物に付着したままである可能性が高いのではないだろうか。これなら私のアトピーの原因が洗濯用洗剤であったことも理解できる。

合成界面活性剤が残る衣類等が肌にずっと触れていれば、それはアトピー湿疹もできるだろう。敏感肌や赤ちゃん向けと言われているnon-bioの洗剤であろうと、合成界面活性剤でできているのだからアトピーの原因になる…と言ったところだろうか。

もしかしたら他の要素も絡んでいるかもしれないが、洗剤を変えれば済むことだったので良かった。単純だ。

イギリス移住後のアトピー対策で失敗したこと

大きな失敗はnon-bioの洗剤で大丈夫だと思い直ぐに見直さなかったことだが、それ以外で失敗したことと言えば「シャンプーバー」だ。

合成界面活性剤ではないので、シャンプーバーの使用感は良かったしトリートメントバーも慣れれば問題なかったのだが、シャンプーバーは硬水には向かないことをすっかり忘れていた。軟水地域であればシャンプーバー・トリートメントバーを使い続けていただろうが、私の住む地域は硬水でシャンプーバーの減りが早く、硬水のせいか何とも言えない合成界面活性剤とは違った感じの”流しきれていない感”があった。

合成界面活性剤と違いちゃんと流した後のスッキリ感はあるが、どうも髪に石鹸の残りカスが付着しているような気がする。それに気が付いたのでシャンプーバーの使用は止め、それまで使っていた「Herbal Essence 」のDaily Detox Shine(シリコン、パラベン、パラフィン、着色料、グルテンが使用されておらずph調整済みと記載されているもの)に戻したのだが、特にアトピーに影響がないことが分かった。

単純に、相性が悪いので硬水地域でシャンプーバーの使用をすることはないだろう。

アトピー湿疹に効果的だったと思うこと 

大きな原因は洗濯用の洗剤だったが、それ以外にとった対応で続けた方が良さそうなことを書いておく。日本からイギリスへ移住し環境が変わったので、軟水から硬水への変化、手に入る生活用品の変化が大きかった。

  • 体を石鹸などで洗いすぎない
  • 熱いシャワーは控え、温めの温度設定で必要以上に肌にシャワーを当てないようにする
  • シャンプー・トリートメントが出来るだけ肌に触れないように洗い・流す
  • 白色ワセリンで保護、乾燥を防ぐ
  • 炎症が辛かったらSudocrem(亜鉛華軟膏がベースでワセリンや香りづけの成分などが混ぜられたシンプルなもの。)を使用する
  • 洗濯の際には硬水を軟水に変えるwater softnerを利用し、硬水だからと言って洗剤の量は増やさないようにする

普段使っている石鹸↓。日本で使っていたシャボン玉石けんに近いような、無添加で余計な成分を含まない石鹸を探し、いくつか使ってみた結果、これが一番シンプルでよかった。減りが早いので経済的ではない気もするが、私のような人にはお勧め。

アトピーを治すのに大切なのは、原因を排除し、自分の体の自然治癒力に任せる事

これは日本でアトピー対策をしていた時と同じで重要なのだが、ステロイドは使用しないことと、市販の湿疹の塗り薬やかゆみ止めのクリームはなるべく使用しない方が良い。

ステロイドはすぐに止められればいいが、それが出来ずにどんどん強い薬にせざるおえなくなったり、副作用が出てしまったり、止めようとしてもリバウンドしてしまったり、他のアレルギーもどんどん出てくる「アレルギーマーチ」と呼ばれるような状態になってしまう可能性がある。私も長い事使い続けていろんなアレルギーに悩まされてきたし、ステロイドを完全に止めてからのリバウンドは凄かった。

ステロイド以外でも、市販の湿疹薬やかゆみ止めで少しは症状が緩和されるかもしれないが、慢性的なアトピー湿疹を治すことはできないだろう。そういったクリームや薬を使うだけではアトピーを治すことは難しい。

アトピー体質ではない人やあまりアレルギーのない人であれば、急に出てきた湿疹などの炎症に対し、数日ステロイドや抗炎症剤などのクリームを塗れば直ることが多いのだろうが、生活に気を付けなければ慢性的にアトピーの症状が出る人の場合、そうはいかない。

私も今回はあまりにも痒みが続き炎症が広がり、慣れないイギリスで上手い対処法が見つからず、市販のかゆみ止め効果のあるアトピー用のクリームを仕方なく使用した時期があったが、少し症状が緩和しただけでアトピーは直らなかった。結局、気休めにしかならない。

市販のかゆみ止めやクリームも自分の肌に合わない可能性があるし、クリームなどの使用は基本的には肌へのダメージになる。肌の自然治癒力に勝るものはないということは、日本で長年かけてアトピーを完治させた際に経験済みだ。

慢性的なアトピー湿疹を治すには、原因となるものを自分の生活から徹底的に排除するしかない。原因になりそうなものからは距離を置き、自分の生活を変えることで自分の体の自然な治癒力によって症状が改善していき、それなりの時間をかけて完治するものだ。

考えてみれば、ステロイドのような強力な薬で「直ぐに綺麗になる・治る」方がおかしいだろう。あの効き目は、よく考えれば怖くなる。

アトピーを治すには、自分の体質に合わない物を徹底的に排除すること。化粧品やいい香りのするシャンプー・柔軟剤等を排除するのは、最初は物足りなさがある。しかし、無駄なもの・無駄な事が無くなり、シンプルに気持ちよく生きられるようになるので、私はこちらの方が好きだ。自分の体に合っていると思う。

アトピーを治して、気持ちよく生きよう。