ギリギリでやっと完成 趣味の時間が欲しい

妊娠する前に作り始めた紬の単衣の着物が、出産前にやっと完成した。

出産したら着物を縫う時間が持てるか分からなかったし、中途半端な状態で何年も放置するのは嫌だったけれど、妊娠中はなかなか手が付けられずにいたのだった。恐らく、作り終わっても妊娠中だし直ぐに着られないこともあって、気が乗らなかったからだと思う。やはり着る楽しみもないと。

そんな中、臨月に入ってから出産前にやっておきたいことをいくつか挙げてみて、この着物は何としても完成させておきたい気持ちが強かったので、ここ数日で一気に仕上げることができた。

腰痛と時々襲ってくる前駆陣痛や息苦しさにヒイヒイ言いながら、黙々と縫い続けた。

この着物で使用した布は私の身長に見合う十分な長さが無かったこともあり、紬の柄を合わせなくてもいいか!と裁断したものの、途中で気が変わり柄を合わせることにしたので、残念ながら余分な布の納め方がおかしいことになった。余分な布を切ってしまえばスッキリ仕上げることができたが、いつかまた解いて縫い直す日が来るかもしれないと思うと切れなかったのだった。私の貧乏性がここでも出ている。

また、めんどくさがって細かいところまで測らずに作業を進めてしまったせいか、衿とか裾の一部が微妙に歪んでしまったが、自分だけが着て楽しむものだし、作るのが楽しかったからこれでいいやと開き直る。

私の場合、地道に縫う作業は好きだけれど、その下準備はあまり好きではないことに気が付いた。綺麗に仕上げるにはその準備が大切なのに、それが面倒で仕方がないのだから困ったものだ。

数冊書籍を購入し、手持ちの着物を分解して構造を把握し、手持ちの着物を解いてからサイズ変更をしてみたり、お手頃価格で購入した着物用の生地を使って独学で着物を作り始めたが、毎回いろんな気づきがあって楽しい。

どこかに習いに行けばもっと効率的に知識や技術が得られるかもしれないけれど、そうすると私の性格上「こうしなければならない」というルールや常識が気になって楽しめない気がするし、そもそもイギリスで和裁を学べるところなんて無いだろう。

着物の生地を日本から調達するのも大変だし、お金もかかるので、次に作る時はここで手に入る洋服用の生地を使って好きなものを作ろうと思っている。自分用と、いつかは子供用にも作れたら楽しいかな。

子どもが産まれたら、趣味の着物はどれくらい楽しめるだろうか。産後暫くは着る余裕もなさそうだし、着物どころか他の楽しみにも手を付けられないかもしれない。

妊娠中も、着物は順番に風通しをしつつカビが生えたりしない様に気を付けていた。触れるたびに生地の美しさにうっとりして、いくつになっても着飾る楽しみがないと嫌だなと思ったものだった。もう暫くは着物を眺めて楽しむ、ということが続くだろう。

妊婦の服装はつまらないし飽きてしまっているので、子どもが産まれたら好きな服を着たいけれど、授乳やら赤ちゃんのお世話で汚れを気にしたり、体型の問題もあって好きなものは当分着られない気がしている。

早く元の体に戻って、少しでもいいから趣味を思いっきり楽しむ時間を作りたい。